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【ネタバレ】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』初期脚本、ミステリオの展開が大きく異なっていた

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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この記事には、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

ミステリオ、実はスクラル人という展開あった

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』はサプライズに満ちた作品だ。ミステリオが本当は異次元から来たヒーローではないこと、むしろヒーローの座を狙っている人間であることが、ピーターがベックへの信頼をこれ以上ないほど高めた直後に示される。そもそも異次元からやってきたというクリーチャー、ピーターとベックが戦っていたエレメンタルズでさえ、実はベックの生み出したもの。つまり、すべては自作自演だったのである。

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大きなサプライズはこれだけではない。ポストクレジットシーンにおいては、なんとニック・フューリーとマリア・ヒルが、観客のよく知るフューリーではなく、『キャプテン・マーベル』(2019)に登場したスクラル人・タロスとソレンだったことが明かされるのだ。ピーターの近くにいたミステリオはヒーローではなかったし、フューリーもフューリー本人ではなかった。ピーターにとってみれば、もうメチャクチャの事態である。

ところが製作チームは、クエンティン・ベック/ミステリオすら本当はスクラル人だったという展開をも検討していたという。脚本家のクリス・マッケナ&エリック・ソマーズが、米Colliderのインタビューにて明かした。

エリック「非常に初期のバージョンはミステリオがスクラルだったんです。初期段階には、スクラルがたくさん登場するバージョンのストーリーがあったんですよ。詐欺師の映画を作るということで、どうやって観客を騙し続けるか、面白い真相解明をいっぱい用意するにはどうすればいいか、どれだけ多くの動揺を観客に与えられるか、という話し合いをしました。」

なお、ミステリオがスクラル人だというアイデアを発想した当時は、「実はスクラル人だった」ということこそがミステリオの犯行の動機になっていたとのこと。映画のストーリーができあがるまで、実に多くの可能性が検討されていたことがわかるエピソードだ。ただしクリスによると、このアイデアが実際に脚本として執筆されることはなかったようだ。

クリス「いろんなことを話し合いました。ジョン(・ワッツ監督)や、マーベル、パスカル・ピクチャーズ(編注:プロデューサーであるエイミー・パスカルの製作会社)の人々と密室で長い時間を過ごしましたね。初期段階とはそういうものなんです。ただ、いろんな話をする。いろんな可能性を考えてみて、それらを洗練させていき、ようやく物語ができあがるんですよ。」

とはいえエリックによると、「ミステリオが本当にスパイダーマンの味方になる」あるいは「ミステリオは本当に異次元から来ていた」という展開は一度も検討されなかったそう。ミステリオが詐欺師であり、スパイダーマンを罠にはめるという展開からブレることはなかったというわけだ。

ミステリオのすべてに迫る特集記事はこちら

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年6月28日(金)より世界最速公開中

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/

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Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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