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【ネタバレ特集】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ミステリオ、監督&脚本家が完全解説 ─ ジェイク・ギレンホールはいかに演じたか

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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この記事には、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。


新ヒーロー・ミステリオ、実は

「ミステリオは新ヒーロー」「今回は良いヤツ」。前ページでこのように書かねばならなかった筆者の思いを、すでに『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』をご覧になった方々なら察していただけることだろう。そう、これらはすべてフェイクなのである。クエンティン・ベック/ミステリオの狙いは、トニー・スターク/アイアンマン亡き今、新たなヒーローとして世界に君臨すること。エレメンタルズを相手に、ピーター・パーカー/スパイダーマンと共闘したベックは、ピーターから“ヒーローの先輩”として厚い信頼を寄せられる。ヒーローとしての自信を持てず、本心としては夏休みを満喫したい少年ピーターは、トニーの遺したサングラス(イーディス・システム)を、「ベックこそふさわしい」として譲り渡してしまうのだ。

実はスターク・インダストリーズの元社員であったベックは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に登場した、ホログラムによって過去をリアルに再現できる「B.A.R.F.システム」に携わっていた人物だった。ところがトニーと対立したベックはスターク社を解雇され、仲間とともに奇策を展開。自分は異世界からやってきたヒーローであり、地球に現れたエレメンタルズを退治しに来たというストーリーをでっち上げ、B.A.R.F.システムに由来するホログラム技術とドローンで、“ヒーロー・ミステリオの活躍”を完璧に作り上げた。そしてピーターどころか、ニック・フューリー(実際にはニック本人ではなかったわけだが)を騙しきってしまったのである。イーディス・システムを手に入れたベックは、自身の目的を達するため、そして真相を悟ったスパイダーマンを排除するために動き出す。

マルチバース、結局あるの? ないの?

なぜミステリオが選ばれたのか

前作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)に登場したヴィランは、マイケル・キートン演じるエイドリアン・トゥームス/バルチャー。『ファー・フロム・ホーム』のベックとの共通点は、ともに労働者階級の、いうなれば“普通の男”に限りなく近い存在であることだ。それから、トニー・スターク/アイアンマンに恨みを抱いているところも同じである。

マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、米Screen Rantにて「ミステリオを扱うのは本当に楽しかった」と語った。数多く存在するスパイダーマンのヴィランからミステリオを選んだ理由について、社長はこう話している。

ファイギ「コミックでは、(映像化は)誰もが呆れてしまうような金魚鉢の魔術師です。緑色の煙がたなびいてね。そこで“これをやろう、煙を飛ばさなきゃ”と思いました。本当にやりたかったのは、彼の魔術をコミックと同じように描くこと。科学がベースになっていて、決して魔法というわけではないんです。」

こうした観点は、実はジョン・ワッツ監督も同様だった。米CBR.comにて、監督は「ミステリオを登場させたかったのは、何よりもビジュアルの可能性が開けるから」だと率直に明かしている。「ミステリオみたいな、魔術の達人めいた悪役を登場させることで、今までになかったものを観客に見せられる。スパイダーマンの映画に予想しないような、クレイジーなビジュアルも試すことができます」。この発言通り、ミステリオの魔術がピーターを追い込む中盤のシーンは圧巻だ。

ただしファイギ社長は、MCU版スパイダーマンでは「現実的なヴィラン」を重要視していると米Fandangoにて強調している。

ファイギ「大切なのは、科学実験の失敗で生まれたような悪役ではないということ。[中略]ミステリオの出発点も同じです。ドローンやホログラムの技術について検討するとき、人々はスターク社を思わせる高度な技術をいかにして扱い、またトニーの不在をいかにして埋めようとするのかを考えました。」

では脚本家や監督たちは、ミステリオのストーリーを、いかにしてスパイダーマンの物語にフィットする形に仕上げていったのか。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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