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『ファイト・クラブ』中国配信版、オリジナルのエンディングが復活 ─ ビル爆破が警察により阻止される結末への改変、非難を受けてレストア

ファイト・クラブ
© Twentieth Century Fox 写真:ゼータ イメージ

中国のストリーミング・サービスのテンセントビデオにて、あの有名な結末が大幅に改変された『ファイト・クラブ』(1999)。どうやら、オリジナルのエンディングにレストアされたようだ。

この記事には、『ファイト・クラブ』のネタバレが含まれています。

現代社会における資本主義・消費主義への問題を訴えた『ファイト・クラブ』のラストでは、資本主義に大きく関係する企業の高層ビルが、タイラー(ブラッド・ピット)の発案した計画のもと爆破され、次々と崩れ落ちていく。この結末は公開当時から様々な議論が交わされてきたが、中国配信版では、ビルの爆破場面が映される代わりに、「タイラーから出された手がかりにより、警察はすぐさま計画全体の内容を把握、全ての犯罪者を逮捕し、爆弾による爆破を防ぐことに成功。裁判が行われた後、タイラーは精神病院に送られ、治療を受けた。彼は2012年に退院した」といった文章が表示される最後に改変されたのだ

中国では映画の公開・配信にあたり、厳しい検閲が行われることで有名だが、この改変が中国当局の指示によるものなのかは定かでなく、テンセントビデオもまたコメントを差し控えている。それでもなお、中国当局の検閲が背景にあると予想する者は多く、SNS上ではこの対応を非難する声で溢れ返っていた。

The Hollywood Reporterによると、この反発を受けてテンセントビデオは、カットされていた12分のうち11分の映像を復元したとのことだ。残りの1分は、ブラッド・ピット&ヘレナ・ボナム=カーターふんするキャラクターのタイラーとマーラのセックスシーンが大部分を占めているのだという。このレストアについても、テンセントビデオはコメントを差し控えている。仮に中国当局からの指示で結末を改変していたのだとすると、この対応は極めて異例と言えそうだ。

ちなみに、本作の結末が改変されたと報じられた際に原作者のチャック・パラニュークは、中国版の方が小説版の結末に近いと話していた

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Source: The Hollywood Reporter

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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