映画学生、スマホいじって映画を最後まで観られず、「最近観た映画は?」に答えられないと米教授ら報告

最近の学生は集中力に欠いており、授業での映画を最後まで鑑賞することに苦労している?米The Atlanticによる報告が興味深い。
記事によれば、全米20人の映画・メディア関連の教授らはここ10年、学生が長編映画に集中できないことに悩んでいるという。南カリフォルニア大学の映画・メディア研究教授アキラ・ミズタ・リピットは、近年の生徒はニコチン中毒者であるかのように、作品上映中にスマホをチェックせずにいられなくなっていると実感している。
ある授業でフランシス・フォード・コッポラの1974年の古典『カンバセーション…盗聴…』を上映した際のこと。リピットは、重要なラストシーンだけは必ず注目して観るようにと念押ししたにも関わらず、生徒の数人はスマホを見つめていたというのだ。
そもそも生徒は、キャンパス内の劇場に集まって鑑賞することすら負担と感じるようになったため、各自の環境でストリーミング視聴することを認めるプログラムも増えているという。ただしインディアナ大学調査によれば、学内の配信プラットフォームで作品を再生する学生は50%未満で、最後まで視聴を完了させたのは約20%しかいなかった。
こうした傾向に若者の集中力低下を見出すこともできるが、むしろ幼少期からスマホやタブレットでのスクロールに慣れ親しんだ世代のメディア体験の変化のためと観察されている。
映画文化そのものが変容しているとも言える。記事ではジョンズ・ホプキンス大学の映画・メディア研究教授カイル・スタインの声として、授業開始前に学生に「最近観た映画は何?」と尋ねると、答えられない学生が増えてきたと紹介。「10年前なら、映画やメディア制作を学びたい人は、自分自身がシネフィルでした。いまは違う。彼らが消費しているのは、みんなと同じもの……つまり、SNSなんです」とは、ウィスコンシン大学マディソン校の映画教授クレイグ・アープルディングの見解だ。同教授は現代の学生の視聴習慣に適応し、短い映画を観せたり、1本を複数回に分けて観せたりと工夫を強いられているそうだ。
視聴態度の変化は、映画製作そのものに影響を及ぼすこともある。俳優のマット・デイモンは、ストリーミング配信のNetflixでは視聴者がスマホをいじりながら作品鑑賞するとある程度予想しているため、「最初の5分で大きなアクションシーンを入れる」「セリフの中でストーリー説明を3〜4回繰り返す」といったことが要求されると証言している。























