史上初の全編タテ型映画製作へ、スマホ視聴向け ─ 『search/サーチ』『ハードコア』プロデューサーが仕掛ける次世代コンテンツ

次世代の映画体験がやってくる。スマートフォンの視聴向けに、史上初の全編縦型映画が製作されることがわかった。米Deadlineが伝えている。
仕掛け人はロシア出身の映画監督・プロデューサー、ティムール・ベクマンベトフ。監督作としてはアンジェリーナ・ジョリーの『ウォンテッド』(2008)があるが、全編一人称視点で描かれる『ハードコア』(2015)や、全編PC画面で展開される『search/サーチ』(2018)の製作も手掛けているから、その狙いも納得だ。
世にも珍しいこの全編縦型映画のタイトルは『V2. Escape From Hell(原題)』。第二次世界大戦時の実話をベースとする内容で、戦闘機をハイジャックしてドイツの強制収容所からの脱出を試みるソ連軍パイロットを描く。主人公役にはロシア人俳優が起用されている。
縦型の映像コンテンツといえば、先進的なアーティストによるミュージック・ビデオや、TikTok、Snapchatなどのアプリで目にすることもあるだろう。Snapchatは既に縦型映像によるオリジナルコンテンツ「Dead Of Night 」をリリースしている。こちらはゾンビ・アポカリプスを『search/サーチ』さながらのスマホ画面で描写するもので、実際にスマホで再生すると新感覚の臨場感が楽しめるものとなっている。
実は、この「Dead Of Night 」を製作したのも、この度の『V2. Escape From Hell』ティムール・ベクマンベトフだ。新たなコンテンツ体験にこだわるティムールが手掛ける史上初の縦型映画、いったいどんな作品になるのだろう。
撮影は、1,000万ドルと少額の製作予算と共にロシアにて2020年2月17日週より開始予定。ロシアにおける携帯電話ブランド大手のMTS社が協業に加わっており、同社の有する配信プラットフォームにて公開されるとのことだ。海外市場向けに、異なるシーンを含む英語バージョンも製作し、2021年初頭にもリリースを予定している。
▼ 関連記事
YouTube、AI使った映画フェイク予告編の収益化を停止 騙されないでね ロバート・ダウニー・Jr.がトニー・スターク再演の「アベンジャーズ・キャンパス」スターク・フライト・ラボ、米ディズニーランド登場へ 乗りたいよ〜 アメリカにAI映画製作会社が誕生、実際の映像公開で「映画製作に革命起こす」宣言 ─ 『トランスフォーマー』Pがアドバイザー就任 低予算で大手スタジオ並の映像 『ウィキッド ふたりの魔女』Apple Vision Proを製作に導入 ─「スティーブ・ジョブズはコンピューターを知性の自転車といったが、僕には想像力のロケットだ」と監督 映画製作にも革新 ロバート・ダウニー・Jr.、AIによる自身の再現を拒否 ─ たとえ死後でも「スタジオ幹部を訴える」 昨年のストライキでも争点となりました
Source:Deadline