『フリー・ガイ』続編、『バービー』のヒットでハードルが高くなってしまう ─ 「フィクション世界のキャラが自我に目覚める」類似性

続編の開発が進んでいたライアン・レイノルズ主演作『フリー・ガイ』が少々困った事態に陥っている。世界的大ヒットを記録中の『バービー』のおかげで、続編実現のハードルが高くなってしまったというのだ。一体どういうことなのか。

VRゲームのモブキャラが一目惚れをきっかけに自我に目覚めてしまう物語を描いた『フリー・ガイ』は、水面下で続編の製作が進められていた。20世紀スタジオの社長も続編製作を認めるようなコメントを出していたが、米Colliderとの取材に応じたショーン・レヴィ監督によると、「確実に保証されたものではない」のだという。

「みんな『フリー・ガイ』が大好きですし、『フリー・ガイ』愛はこの数年間余震のように響いています。ライアンと僕もワクワクしています。続編も開発段階にありますが、フィクションの世界のキャラクターが自我に目覚める、という意味では『バービー』が明らかな痕跡を残してしまいました。なので、もし1作目とは違い、かつ他の映画と被らないものでない限り、『フリー・ガイ2』は作れません。」

『バービー』は、バービーランドで完璧な暮らしを送っていたバービーが突如自我に目覚め始め、人間たちとの出会いを通して新たな気づきを得ていく物語。虚構世界の主人公が自我に目覚めるという作品のコンセプトは『フリー・ガイ』と共通している。2023年7月に公開された『バービー』は世界的ヒットを記録し、世界累計興行収入は2022年最大のヒット作『トップガン マーヴェリック』に迫る勢いだ。

『フリー・ガイ』と『バービー』はコンセプトが共通しているとはいえ、混同してしまうほどではないだろう。一方、『バービー』の台頭により『フリー・ガイ』の独自性が薄まったことも確かだ。

以前レヴィは、『フリー・ガイ2』は「自信を感じた時に作る」と話していた。もし続編のストーリーが固まりつつある段階だったとしたら、『バービー』はどれほどの影響を与えることになったのだろうか。それも、『フリー・ガイ2』が実現した時にレヴィの口から語られるかもしれない。

Source: Collider