『ワイルド・スピード SKY MISSION』は「繰り返し観られない」とローマン役 ─ 盟友ポール・ウォーカーの死を経て

『ワイルド・スピード』シリーズでローマン役を演じるタイリース・ギブソンとレティ役を演じるミシェル・ロドリゲスが、2013年にこの世を去ったブライアン役ポール・ウォーカーの遺作となった『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)を振り返った。
米Entertainment Weeklyは、2021年6月25日に米公開を控える映画『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』に向けて、『ワイスピ』シリーズ全作を出演者と共に振り返る特別企画を毎週行っている。『SKY MISSION』の回に招かれたタイリースは、「当時を振り返って一番最初に思い浮かぶことは?」との質問に「良い記憶よりも悪い記憶のほうが多いですね」と率直に返答。その理由を以下に明かした。
「楽しいこと全てや魔法のようなものは、ポール・ウォーカーの早すぎる死で消えてしまいました。前の作品まで体験していたそういったものは、彼を失ってしまったというトラウマに取って代わられてしまったんです。」
2013年11月に伝えられたポールの死は、世界中に激震をもたらした。撮影期間中にあった『SKY MISSION』の製作は一時中断。主演のひとりを失い、シリーズは存続の危機に立たされた。仲間の悲劇を乗り越えて完成した『SKY MISSION』公開当時を振り返るタイリースは、「観るのが辛かった」と話す。ヴィン・ディーゼル演じるドムと別れ、夕陽に向かってスープラを走らせるブライアンを映したエンディングは、ポールに捧げられたものとして美しい仕上がりになったが、それでも共演者にとっては辛い過去を思い出させてしまったのだろう。ポールの死後、事故現場に花をたむけ、涙を流した姿が印象的であったタイリース。「あの作品は間違いなく繰り返し観ることはできないです」と現在の心境を語っている。
タイリースと同じく友の死を経験したレティ役のミシェル・ロドリゲスもEntertainment Weeklyで『SKY MISSION』を振り返っている。「7作目は特別です」と話すミシェルは、「ずっとそこにいた、私たちが愛する人間に別れを言うための作品でしたから」とポールを偲ぶ。
「世界に対して『ワイルド・スピード』の熱意を伝えられる人間がいたとしたら、それはポールでした。そんな彼に対する敬意を払った作品ですし、ただただものすごく美しい映画だったと思います。私にとって特別ですし、心を打つ作品です。そしてそれは映画そのものやアクション、物語の何よりも重要なもの。ほかのことはどうでも良いことで、一番はポールへのお別れなんです。これ以上のお別れは無いと思いました。」
ポールがこの世を去ってからの『ワイスピ』メインシリーズは、最新作『ジェットブレイク』で2作目。もっとも、監督を務めるジャスティン・リンは、同作で「ブライアンの存在を感じることができる」と予告していた。自らが築き上げた『ワイスピ』で、ポールは確かに今も生きているのだ。
Source: Entertainment Weekly(1,2)