ブラッド・ピット、『フューリー』撮影中に起きた一触即発の事態を仲裁していた

デヴィッド・エアー監督、ブラッド・ピット主演の戦争映画『フューリー』(2014)の撮影現場では、出演者のスコット・イーストウッドのとある行動が引き金となり、一触即発の事態が生まれていたという。その詳細を、このたびイーストウッドが米Insiderに語っている。
『フューリー』では、第2次世界大戦下、ナチス・ドイツへの侵攻を目指す連合軍所属の小隊が戦車一つで敵地に乗り込む絶体絶命の戦いが描かれた。役者は戦車の中で演技を行うことも多く、その中で“事件”は起きていた。該当のシーンは、シャイア・ラブーフ演じる砲手のボイドとスコット・イーストウッド演じるマイルス軍曹、ブラッド・ピット演じるウォーダディの3人が戦車に乗っているシーン。イーストウッドが脚本に従って戦車内でツバを吐いたところ、そのようなシーンがあることを知らなかったラブーフが激怒したという。
イーストウッドは、この時について「彼は僕に対して怒り、一触即発の事態になりました」と振り返る。最終的に、ブラッド・ピットが仲裁したことにより、緊張の事態は静まったというが、イーストウッドは複雑な心境を以下のように続けている。
「物事は広い視野で見なければいけないです。見せかけのものですし、楽しいもので、時にはシリアスで感情的になる仕事ですから。それを行うスペースを人には与えるものだと思うのですが。ただ、全てのものには限度がありますけれど。」
当時の出来事は広く知られた話ではないようだが、実は『フューリー』公開当時、ブラッド・ピットがシャイアとイーストウッドに起きた出来事について、British GQに語っていた。なんと戦車内でイーストウッドがツバを吐いたことには、ラブーフ同様にピットも怒っていたという。
「道を走っていて、僕は銃座に、シャイアは別の銃座にいました。スコットは後ろにいて、ツバを吐いたんです。僕は怒り、熱くなってしまいました。だってこれ(戦車)は家みたいなものだったのだから。彼は家を侮蔑していると思ったので、カメラが回っている時に“それをキレイにしろ”って言ったんです。シャイアはそれを見て。ただ、あの時はブートキャンプでのシビアなシーンを撮った後で、ずっとタンクにいたっきりだったんです。シャイアも同じことを思ったんでしょう。家を侮辱していると。だからシャイアも同じような反応を取ったんだと思います。」
ここから察するに、イーストウッドが明かした“一触即発の事態”はカメラが回っている中で発生したものだということがわかる。ちなみに、ピットはイーストウッドがツバを吐くシーンが存在することを帰宅してから知ったといい、「彼は脚本の指示のままにやっていたんです。ひどいのは僕たちだった」と振り返っていた。
結果的に誤解が生んでしまった当時の経験について、「役作りが現場での扱れ方の妨げになるべきだとは思いません」とイーストウッド。「それは常に製作を高めるもので、不公平な労働環境や居心地の悪い状況を作り出すものであってはいけません」と語った。
Source: Insider,British GQ