『フォードvsフェラーリ』憎まれ副社長レオ・ビーブ、実際はとても良い人だった ─ 結末には何と言ったのか

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予想外の結末、レオ・ビーブの反応は
ところでレオ・ビーブは、劇中で描かれたル・マン24時間レースの非情な結末にも、実際には納得していなかったという。
このレースでは、「フォードGT40」を駆るケン・マイルズが周回リードで1着ゴールを目指していたところ、宣伝材料を求めていたビーブがフォード社の他のレーサー、マクラーレンとエイモンと3台並べての同時フィニッシュを提言。デイトナ、セブリングと併せて3冠制覇をかけていたマイルズはこの思惑を苦くも汲み取り、2車を待ってゴールラインを走り抜けた。
ところが、マイルズのもとに駆け寄るべきギャラリーは、なぜか一斉にマクラーレンの元へ。ルール上、スタート地がより後方だったマクラーレンが1着として認められたのだという。激昂したシェルビーはビーブに詰め寄るが、結果はもう覆せない……。
奔放なマイルズを、ビーブが快く思っていなかった点は事実通りとのこと。ただし、この3台同時フィニッシュがマイルズの勝利を奪ってしまうことについては、想定外だったようだ。当時、「同時フィニッシュの場合は長く走った走者が勝つ」というケースは前例もなかったこと。ゴール後、マイルズが2着に降格したと知ったとき、ビーブは「なんてこった、こんなはずじゃなかったのに」と言ったという。
米フィラデルフィアのメディアPhiladelphia Inguirerは、レオ・ビーブは2001年に亡くなるまで、数多くの友人に恵まれたと記している。
映画『フォードvsフェラーリ』は2020年1月10日(金)より全国公開中。
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Source:Philadelphia Inguirer,leocbeebe.org