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『スター・ウォーズ』プロデューサー、ゲイリー・カーツ氏が死去 ― 「フォース」設定をジョージ・ルーカスと制作

Public Domain https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gary_Kurtz1.jpg

映画『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)でプロデューサーを務めたゲイリー・カーツ氏が、2018年9月23日(米国時間)に死去した。78歳だった。カーツ氏はおよそ1年間にわたって、がんとの闘病生活を送っていたという。

ゲイリー・カーツ
ゲイリー・カーツ氏(2002年) Public Domain https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Gary_Kurtz1.jpg

『スター・ウォーズ』シリーズでジョージ・ルーカスを映画界のスターに引き上げたカーツ氏は、『新たなる希望』以前にルーカスが手がけた『アメリカン・グラフィティ』(1973)でも製作を担当。『スター・ウォーズ』の構想段階ではルーカスにアイデアを提案し、シリーズを通じて描かれている「フォース」の設定を共同で生み出したといわれている。

ところがカーツ氏とルーカスは『帝国の逆襲』の製作中に袂を分かつこととなった。同作は製作スケジュールの遅延、予算の超過などのトラブルを抱えており、映画を完成させるべくルーカスは1,000万ドルの自費を投じ、カーツ氏は第2班の監督としても作品に携わることとなっていた。
しかし映画が完成する以前にカーツ氏はプロデューサーの職を解かれ、後任者には、のちに『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)でプロデューサーを務めるハワード・カザンシャンが就任。その後、カーツ氏は『ダーククリスタル』(1982)や『オズ』(1985)を手がけるも、のちに破産して映画界を去っている。

カーツ氏の訃報を受けて、ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、初代チューバッカ役のピーター・メイヒューは追悼のコメントを発表している。

マーク・ハミル
「生涯の友人を失いました。優しく、賢く、多才なアーティストでありフィルムメーカーを世界は失ったのです。どれだけ評価してもし過ぎることのない、そんな映画に貢献した人物です。彼と仕事をできたことを光栄に思いますし、彼と出会って、僕はよりよい人間になったと思っています。」

ピーター・メイヒュー
「RIP ゲイリー・カーツ。最高のフィルムメーカーであり、最高の男がこの世を去りました。彼なくして“フォース”はなかったでしょう。あなたの作った、そして数えきれないほどの人々が観た素晴らしい映画で、あなたは思い出されることになるのです。」

映画史に残る傑作を生みだした才能に思いを馳せながら、その仕事に改めて触れることとしたい。

Sources: Variety, Comicbook.comMark Hamill, Peter Mayhew

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。