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巨匠ジョージ・A・ロメロ監督の未発表映画、4Kリストア版の配給権販売へ ─ 「ロメロ史上、最も恐ろしい映画」

ジョージ・A・ロメロ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/26434015733/

『ナイト・ オブ・ザ・リビングデッド』(1968)『ゾンビ』(1978)などで知られるホラー界の巨匠・故ジョージ・A・ロメロ監督が、1973年に手掛けた幻の未発表映画『The Amusement Park(原題)』の4Kリストア版が存在することがわかった。米Yellow Veil Picturesが本作の世界配給権を販売する。米Bloody Disgustingが報じた。

遡ること約1年半前の2018年11月。作家ダニエル・クラウスが所在不明とされていた本作を鑑賞したことを自身のTwitterで報告し、その存在が明らかになった。主演を務めるのは、『マーティン/呪われた吸血少年』(1977)で知られるリンカーン・マーゼル。アメリカで歳を重ね、苦痛・悲劇・屈辱感と共に混乱や孤独感が増していく老人の姿を描く物語だ。

物語からホラー要素を感じさせないのもそのはず、もともと本作は年齢差別や高齢者虐待について、世間の認識を高めるためにルーテル教会から依頼された企画。もっとも、クラウスによると、本作がお蔵入りとなってしまった理由は、ロメロ監督があまりにも過激に当時の社会情勢を描いたことにあるようだ。

「この映画が公の場で公開されたことはありません。資金担当した者たちが許可しませんでした。無理もないですね。地獄のようでしたから。ロメロはこれまでの長いキャリアの中でもアメリカ制度を批判してきましたが、これほどまでに容赦なかったことはありませんでした」。

また、この度ジョージ・A・ロメロ監督の妻スザンヌ・ デスロチャー・ロメロも本作について「ホラー映画ではありません」としながら、「ジョージが手掛けた中で最も恐ろしい作品……。全編に渡ってロメロらしさ満載です!」と自信を滲ませている。今は日本でも見られる日が来ることを祈るばかりだ。

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Source: Bloody Disgusting , IndieWire , Daniel Kraus(1,2

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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