デンゼル・ワシントン「私の仕事は魂に基づく」『グラディエーターⅡ』来日インタビュー

──『グラディエーター』1作目のラッセル・クロウとは、『アメリカン・ギャングスター』(2007)で共演されていますね。クロウはこの作品に参加できないことを恨めしく思っているそうです(笑)。
彼(マキシマス)は死んだよね?
──死にましたね。
死んだら、出るのは難しいよな(笑)。
──本作について、彼とは何か話をしましたか?
いや、話していません。彼と交友関係があるわけではなく、『アメリカン・ギャングスター』以来会っていません。彼はどこに住んでいる?確か、オーストラリアに住んでいますね。
──例えば、彼にEメールを送るとか?
そら来た!これぞ情報化社会だろう?Eメールだって?君は彼のメールアドレスを知っているのかい?(笑)
──いえ、知りません(笑)
私も知らないよ。メールの打ち方もわからないくらいだ。

──少し前に、マーベル映画についてこんな話題がありました。征服者カーンという悪役を演じていたジョナサン・メジャースが解雇されてしまい、誰かが代わりにカーンを演じるかもしれない、デンゼル・ワシントンこそ最大の悪役に相応しいのではという期待です。あなたはまだスーパーヒーロー映画に出演したことがありませんが、実際のところ、マーベル・スタジオの誰かと話をしていますか?
ライアン・クーグラーとは話しています。
──えっ、『ブラックパンサー』ですか?
ライアンに聞いてみて……。まぁ、ライアンとは『ブラックパンサー』の話をしています。どんな役か、彼が何を書くのかまでは知りません。
──もしもチャドウィック・ボーズマンが存命だったら、『ブラックパンサー』で彼と共演したいですか?
もちろんだよ!彼がブラックパンサーなのであって、私がブラックパンサーになるわけではない。そんな脚本ではないことを願いますよ。オールド・パンサーみたいなね。もしかしたら彼の父親役をやれるかもしれないけれど、それはライアンに聞いてみてほしい。彼がどういう考えでいるのか、私は知りません。
──あなたはかつて、学生時代のチャドウィック・ボーズマンに資金援助をしたそうです。しかし彼と初めて会ったのは、『ブラックパンサー』のプレミアでのことだったそうですね。これは本当ですか?どうして彼と会う前から、彼に資金援助をしようと決めたのですか?
私は大した援助をしたわけではありません。フィリシア・ラシャド(俳優)が何人かを助けていて、私も手伝うことになったんです。そこで、私が手助けをすることになったのが、彼だったわけです。当時は彼のことを知りませんでしたし、いくら援助したのかも覚えていません。ただ、彼の学費を出しました。私が出したお金が彼に渡ることになったのですが、私はそのことも知りませんでした。それで彼に会って……、後のことは、君も知っているね。
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大きな喪失です。すごく、すごく、良い男だった。そして、すごく強かった。『マ・レイニーのブラックボトム』(2020)で一緒に仕事をしたのですが、その時、彼が病気だったとは全く知らなかった。ただ、何かがおかしいは思いました。妙に痩せていたんです。
ある日、彼のトレイラーに行くと、彼が疲弊しきっていた。私は周囲を見渡して、観察しました。何かが変だと。トレーラーもとても暑かった。何が起こっているか知りませんでした。病気のことを知ったのは、それよりも後のことです。
しかし彼は決して、決してそのことを口にしなかった。彼は強い。とても強い若者だった。誰にも、何も言わず、ただ自分の仕事をこなした。そして、家に帰った……。
──それで、彼とはもう……。
そう。それきり。それきりです。
──……。
……。……おいおい、悲しくなってしまったね!(笑)
──すみません、つい……(笑)。質問を変えますね。2年前にアントワーン・フークア(『イコライザー』『トレーニング デイ』監督)と話をしたんです。その時フークアは、『トレーニング デイ』の前日譚をやるつもりだと話していました。