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『ミスター・ガラス』未公開シーンは「山ほど」 ─ 脚本は約150ページ、初期編集版は3時間超えていた

ミスター・ガラス
©Universal Pictures All rights reserved.

『アンブレイカブル』(2000)と『スプリット』(2017)の“その後”を描く、M・ナイト・シャマラン監督の最新作『ミスター・ガラス』には膨大な未公開シーンが存在するという。監督にとって初めての続編、しかもクロスオーバーという一大イベントは、作品の創作そのものにも大きな影響を及ぼしていたようだ。

米Colliderのインタビューにて、シャマラン監督は「未公開シーンは山ほどありますよ」と明言。「今になって考えてみると、僕史上一番長い脚本で、一番長いファースト・カット(編注:編集段階で最初に作られたバージョン)だったと思います」と語っているのだ。

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Digital Spyによれば、執筆された脚本は約150ページ。もともと約2時間という長さに収まるボリュームではないわけだが、脚本に書かれ、実際に撮影した素材をすべてつなぎ合わせたところ、その長さは3時間20分~3時間30分にもなったという。編集作業では、完成版の2時間9分となるまで「どんどん縮めていった」とのことである。

シャマラン監督は、『ミスター・ガラス』の創作が従来の作品とどのように違ったのかをColliderにて明確に語っている。

「すでに知っているキャラクターを執筆するのは初めてだったんです。だからたくさん書けたんですね。これはいつものことではなくて、普段は執筆しながら彼ら(登場人物)を理解していきます。理解すると同時に書き終わるんですよ。今回はそうではなくて、前々から彼らのことを知っていた。だから長くなったし、たくさん書けたんです。編集作業では、“自分が求めていたものの本質は何か?”と考えましたね。」

たとえば米国版予告編に含まれている、ジェームズ・マカヴォイ演じる“パトリシア”が拘束された少女たちの前に立つシーンも、脚本ではさらに長かったという。監督によれば、このシーンでは“パトリシア”と少女たちの関係性を示すのみならず、ユーモアを織り交ぜながら、パトリシアが多重人格であることがよりきちんと示されていたそうのだ。完成版以上にたっぷりとしたやり取りが用意されていたところが、編集段階で削ぎ落とされていったものとみられる。

すでにシャマラン監督は「Blu-rayには削除したシーンをたくさん入れますよ」と宣言済み。『アンブレイカブル』『スプリット』そして『ミスター・ガラス』と3部作を追いかけてきたファンにとって、監督からのサービスはまだもう少し続くことになりそうだ。

映画『ミスター・ガラス』は2019年1月18日(金)より全国ロードショー。

『ミスター・ガラス』公式サイト:http://Movies.co.jp/mr-glass

Sources: Collider, DS

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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