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ゴジラ生誕70周年、空前のゴジラ・イヤーに備えよ ─ 日本発『ゴジラ-1.0』からドラマ「モナーク」そして『ゴジラvsコング』続編へ

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

2024年、日本が産んだ“怪獣王”ゴジラが生誕70周年を迎える。これを記念して、2023年11月からの約半年間は、日米を巻き込む空前の“ゴジラ作品ラッシュ”だ。さまざまなクリエイターたちが、それぞれの手腕をふるってゴジラに挑む。

映画『ゴジラ-1.0』

皮切りとなるのは、2023年11月3日(金・祝)公開、日本発のゴジラ生誕70周年記念作品『ゴジラ-1.0』だ。第二次世界大戦の敗戦後、無(ゼロ)になった日本に現れたゴジラが、この国を負(マイナス)に叩き落とすというコンセプト。本多猪四郎監督による初代『ゴジラ』(1954)に敬意を捧げる一作だ。

監督・脚本・VFXは、『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007)にゴジラを登場させ、アトラクション「ゴジラ・ザ・ライド」の映像監督も務めた山崎貴。第二次世界大戦を背景とした映画をコンスタントに撮りつづけてもいるフィルムメーカーが、自身の集大成として手がけるゴジラ映画となる。

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ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」

続いて登場するのが、東宝&レジェンダリー・ピクチャーズによる「モンスター・ヴァース」初のドラマシリーズ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」。Apple TV+にて、11月17日(金)から2024年1月12日(金)まで全10エピソードが毎週金曜日に配信される。

本作はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』(2014)で描かれたサンフランシスコの戦い以降、すなわち現代の世界と、1950年代の世界を同時に描き出すコンセプト。父親の足跡をたどり、家族と特務機関モナークの関係を探るきょうだいが、陸軍将校リー・ショウと出会い、隠されていた事実をもとにモナークに迫る脅威と対峙する。

モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ
画像提供 Apple TV+

ポイントは、『ゴジラ-1.0』が敗戦直後の日本とゴジラを描き、かたや「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」が戦争に勝利してから数年後のアメリカとゴジラを描くこと。『ゴジラ』シリーズの根底に横たわる戦争と核(原子力)の問題に、両者がそれぞれの視点からどこまで踏み込めるかも見どころのひとつだろう。本作はモンスター・ヴァースの空白を埋める作品として、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)との繋がりも気にかかる。

脚本・製作総指揮は、SF&スリラードラマの名手クリス・ブラックと、コミックライターとして活躍するマット・フラクション。マーベルドラマ「ワンダヴィジョン」(2021)のマット・シャックマンが第1話・第2話の監督を務める。出演者にはカート・ラッセル、ワイアット・ラッセル、アンナ・サワイ、カーシー・クレモンズ、渡部蓮、山本真理など日米の精鋭が揃った。

映画『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』

そして、「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」の完結から約3ヶ月後の2024年4月12日(金)には、「モンスター・ヴァース」の新作映画『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア(原題:Godzilla x Kong: The New Empire)』が米国公開を迎える(日本公開日は未定)。

そもそもモンスター・ヴァースとは、ゴジラとキングコングを中心に、怪獣たちが実在する世界で人々が戦う世界観。『GODZILLA ゴジラ』『キングコング:髑髏島の巨神』を経て、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)『ゴジラvsコング』(2021)が製作されたが、物語はさらに前進。既報によると、「全能たるコングと恐るべきゴジラが、この世界に隠された巨大なる未知の脅威と対峙し、彼らの──そして我々人類の存続に挑む」というから、今度は夢の共闘を堪能することができそうだ。

監督は『ゴジラ vs コング』のアダム・ウィンガード。出演者にはレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、カイリー・ホットルが続投し、新たに『美女と野獣』(2017)野獣役のダン・スティーヴンス、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)のファラ・チャン、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022)のアレックス・ファーンズ、『モアナと伝説の海』(2016)のレイチェル・ハウスが加わった。

すでに報じられている情報から察するに、おそらく2023年~2024年に発表される大型の『ゴジラ』作品は以上の3本となりそうだ。しかし、2024年は生誕70周年の“ゴジラ・イヤー”とあって、きっと充実の関連企画なども用意されているはず。さらなる盛り上がりに期待しよう。

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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