『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』怪獣の鳴き声は東宝オリジナル版志向 ─ 「どの怪獣なのか、声を聴いただけで分かるように」

ハリウッド版『ゴジラ』シリーズの第2作、映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』のマイケル・ドハティ監督は、怪獣たちへの深い愛情から、それぞれの鳴き声に強いこだわりを持って作品づくりに取り組んだ。
ゴジラ、モスラ、ラドン、キングギドラの4体を「東宝怪獣映画の至宝」と呼ぶマイケル監督は、大スクリーンで夢の競演をふたたび実現させるにあたって、「目を閉じて声を聴いただけで、どの怪獣なのか分かるようにするべきだ」との強い意志を持っていたそう。撮影現場で実施されたインタビューにて明かしている。

怪獣の鳴き声、東宝版に忠実なアップデートを
マイケル監督は、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』に登場する怪獣たちについて「鳴き声が非常に独特なんですよ」と語る。「たとえばキングギドラは甲高い震え声で、それが非常にクール。そこで僕は、オリジナルの映画(東宝版)から怪獣の声を抜き出して、サウンド・デザイナーに“ここから始めよう”と言いました。」
怪獣たちの鳴き声を新たに生み出すにあたって、監督が製作チームに課したのは、“東宝版と同じく独特な鳴き声にする”こと、そして「怪獣たちは古代の神々である」という新設定を踏まえ、“それぞれの鳴き声には独自の由来がある”と考えること。マイケル監督は前作『GODZILLA ゴジラ』(2014)のゴジラの咆哮に「すばらしかった」と賛辞を贈りつつも、今回はゴジラの鳴き声を1954年製作の第1作により近づけていることも明らかにしている。
ちなみに2018年12月、「東京コミコン 2018」のために来日したマイケル監督は、そこでも鳴き声へのこだわりを明かしていた。本作では、東宝版の音源にヘビやトカゲ、クモといった実在する生物の音声を合成することでアップデートを試みたとのこと。その出来栄えには「慣れ親しんだ鳴き声を想起させるものになった」と自信をにじませている。
さらにマイケル監督は、できあがった怪獣の鳴き声を撮影現場でも活用した。サウンド・デザイナーが大規模なスピーカー・システムを構築したことで、手元のiPadからセット全体に鳴き声を響かせることができたというのである。ちなみにマイケル監督は、このシステムのことを「ベヒーモス」(旧約聖書に登場する怪獣の名前)と呼んでいたのだとか。
「出演者が走り回り、恐怖で叫ぶシーンでは(撮影中に)怪獣の鳴き声を流しています。そうすると演技が非常に良くなるんですよ、鳴き声を聴くと何かが弾けるんでしょう。ある意味、怪獣たちがずっと現場にいるようなものですよ。」
怪獣の鳴き声とは、子どもたちを興奮させ、感激させるもの。そして本作の場合、大人のファンにとってはかつての怪獣映画を思い出させ、同じく興奮と感動を呼び起こすものとなるだろう。マイケル監督のコメントは、その重要性をきちんと理解していることが十分にうかがえる…!
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)全国ロードショー。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト:https://godzilla-movie.jp/
Source: Collider