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『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ラドンは「ゴジラよりも強い」 ─ 不死鳥の神話がモチーフ、描き方へのこだわり

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
©2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

ハリウッド版『ゴジラ』シリーズ最新作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』の見どころは、東宝映画の誇る複数の人気怪獣がハリウッドで初めて映像化されたことにある。ゴジラ、モスラ、キングギドラとともに登場するのは、『空の大怪獣ラドン』(1956)の翼竜怪獣ラドン。まさか『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964)の組み合わせが実現するなんて…!

本作を手がけるマイケル・ドハティ監督は、かねてよりラドンへの愛情を公言してきた人物だ。「ラドンにはカルト的人気があると思います。ゴジラやモスラほど知られてはいませんが、僕も大好きです」と語るドハティ監督は、本作のラドンにどんな思いを込めたのだろうか?

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
© 2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

「ラドンはゴジラよりも強い」

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』でドハティ監督が試みたこと、それはラドンの能力を正当に評価することだったとみられる。米Entertainment Weeklyにて、監督は「昔のゴジラ映画で、ラドンはいつも勝ち目のない怪獣でした。常にサイドキック(仲間、相棒)のポジションだったわけです」と語った。しかし、そんな立ち位置に納得してはいなかったのか、「あらゆる面でラドンはゴジラよりも強い」と断言されてもいるのだ。

「ラドンは上空を飛ぶだけで街を破壊することができる。踏み壊したりする必要はありません。翼の生えた核兵器のようなもので、衝撃波やソニックブーム(音波)、風を起こして大きな被害をもたらすことができます。つまり、他の怪獣にはない速さと凶暴性があるんですよ。(本作では)彼を正しく描けたと思っています。」

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
ラドンに頭を悩ますことになるモナークのみなさん ©2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

本作のラドンはメキシコの火山にて眠りを覚ますが、その登場シーンやファイトシーンは確かに目を見張る。予告編にも映し出されている人類とのチェイスは、“絶対に勝てない”という絶望感すら思わせるだろう。なにしろドハティ監督は、本作のラドンを作り上げるために「灰の中から生まれる炎のフェニックス(不死鳥)の神話から、いくつもの要素を取り入れた」というのだ。

「炎を巣にしている生物、というのは魅力的だと思いました。今回はラドンの解釈を少し変更して、ある環境を生き延びるため進化した生物のように描いています。ですから表面には火山岩のような特徴があって、色も深い紫がかったレンガ色をしていて、火山岩にそっくりですよね。そして彼が空を飛ぶ時には、マグマや灰、煙、炎が降り注ぐんです。」

プロダクション・デザイナーのスコット・チャンブリス氏も、火山のイメージからラドンのデザインを深めていったことを認めている。「この映画のラドンは、ずっと活火山の中で生きていたわけです。彼がどんな肉体を持っているのかはそれが参考になっています」。

ゴジラよりも高い戦闘能力を発揮し、火山のエネルギーを身にまとったラドンは、おそらく特撮映画史上最強のラドンだろう。しかしながら、本記事では映画の内容には言及しないものの、ラドンの物語は思わぬ展開を見せることになる。すっかりファンの間で愛されているラドンは、主にSNSなどで、愛情をこめて「ゴマすりクソバード」という別称すら与えられてしまったのだ。いったいなんということか(なお元ネタはアニメ「けものフレンズ2」のキャラクターに与えられたニックネーム)。

実は本作の劇場公開前、ドハティ監督はラドンの役割についてこのように“予告”していた。

ラドンの忠誠心がどこにあるのか、完全には分かりませんよね。今回はその部分をきっちりと扱うことにしました。彼はどちらかといえば悪いヤツですから。[中略]人間の倫理観を動物にあてはめようとしてもうまくいきません。動物たちは我々と同じルールで生きてはいない。もう少し複雑なルールのもとで生きているんですよ。」

映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は2019年5月31日(金)より全国東宝系にて公開中

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』公式サイト:https://godzilla-movie.jp/

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Sources: EW, Famous Monsters

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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