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【解説】『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』をもっと深く味わおう!宇宙海賊ラヴェジャーズの掟と文化について

“You’re gonna listen to what I gotta say!”
“I don’t gotta listen to nothing, you betrayed the code. Ravagers don’t deal in kids!”
“I told you before, I didn’t know what was going on…”
“You didn’t know cause you didn’t wanna know cause that made you rich.”
“I demand a seat on the table. I wear these flames, same as you!”
“You may dress like us, but you’ll never hear the horns of freedom when you die Yondu, and the colors of Ogord will never flash over your grave.”

―Yondu Udonta and Stakar Ogord(Marvel Cinematic Universe Wikiより抜粋

「俺の言い分を聞いてくれ!」
「聞くことなど何もない。お前は掟を破った。ラヴェジャーズは子供を取引の材料にしない!」
「前に言ったろ! 俺は何も知らなかったんだ!」
「それはおまえが金儲けの話となると、聞く耳を持たなくなるからだ!」
「俺の席を用意してくれ、俺だって炎のエンブレムをつけてるんだ、あんたと同じようにな!」
「お前が俺たちと同じ格好をしていようが、ヨンドゥ、お前が死ぬときに自由のホルンは聞こえないし、オゴルドの光がお前の亡骸を照らすことはない!」
―ヨンドゥ・ウドンタとスタカーの会話より

【注意】

この記事には、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のネタバレが含まれています。

宇宙海賊「ラヴェジャーズ」について

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場するラヴェジャーズは宇宙海賊です。構成員は盗賊、密輸業者、傭兵、賞金稼ぎ、犯罪者など。原作コミックにおいてラヴェジャーズは、ヨンドゥが率いる小規模な海賊集団の名前でしたが、映画、特に『リミックス』においてラヴェジャーズはその構成、背景となる文化が大きく拡張されました。みんな大好きラヴェジャーズ、その掟と文化について、ささやかですが現在判っていることを、解説させて頂きます。

ラヴェジャーズという組織は、100を超える多数の氏族に分かれています。それぞれの氏族は旗艦のリーダーを長としており、普段それぞれの氏族はリーダーの指揮のもと独立して活動しています。『リミックス』に登場するヨンドゥ(マイケル・ルーカー)、スタカー(シルベスター・スタローン)、そしてポストクレジットシーンに登場するチャーリー27(ヴィング・レイムス)、アレタ・オゴルド(ミシェール・ヨー)、メインフレーム(声:マイリー・サイラス)、そしてクルーガーが氏族のリーダーにあたります。リーダーにあたる者は炎(おそらくはオゴルドの光を模ったもの)の紋章を身に着ける資格を得るようです。ちなみに映画一作目で、ロナンの部下が赤茶色のレザーコートを指して「ラヴェジャーズの制服」と言及するシーンがありましたが、あの装束はあくまでヨンドゥが率いる氏族の制服のようですね。

ラヴェジャーズの掟と宗教観

あんまり褒められたもんじゃない日陰仕事を生業としているラヴェジャーズですが、名誉を重んじる厳格な掟が存在し、この掟は全氏族で共有しています。掟は絶対で、一度ラヴェジャーズの一員となったからには掟を破ることは決して許されません(一作目でピーターが「ラヴェジャーズは誰からも盗む」と発言したり、『リミックス』でテイザーフェイスらが元仲間を惨殺したりと、名誉を重んじているようには思えない行動が続きますが、ヨンドゥの氏族は正確には追放されてラヴェジャーズではなくなっていたので、掟の適用も曖昧になっていたのかもしれません)。

掟の詳細は判っていませんが、複数あると思しき掟の中には「子供の人身売買を禁じる」というものがあります。冒頭の2人のやりとりは、若いころのヨンドゥが報酬に目がくらんでエゴの依頼(地球からピーター少年を攫ってくること)を受け、掟を破ったことをスタカーが咎めているものです。掟を破った一族は、そのリーダーがどんな人物で、他のメンバーにどんなに人望があろうと「追放」処分を受けてしまいます。スタカーがヨンドゥに告げる「俺がおまえを喜んで追放したと思ってるなら、大間違いだ」という言葉や、スタカーとヨンドゥの馴れ初めからも、いかに掟が厳しく適用されているかが判ります。

ちなみに、18世紀前半に暴れまわった実在の大海賊にバーソロミュー・ロバーツという人物がいるのですが、彼の率いる海賊団も厳しい「掟」が存在したことで知られています。実際にあったその掟の中には「子供や女性を乱暴目的で船に乗せたら死刑」というおよそならず者らしからぬものがあり、個人的な見解ですがラヴェジャーズの元ネタではないかと考えます。

ところでラヴェジャーズを追放された氏族は、他の全氏族から村八分の扱いを受け仲間として認めてもらえなくなるのですが、例外としてその追放された者が特筆して“英雄的な”行動をした際には名誉を回復、再び仲間として受け入れられる場合もあるようです。ヨンドゥの一連の行動、そして彼の葬儀にラヴェジャーズが集結したことからそのことが伺えます。

また、ラヴェジャーズ全氏族共通の独特のアイデンティティーに、彼ら自身だけの宗教・死生観があります。メンバーは、まず死せるときに「自由のホルン」の音色を聞くと信じられています。どことなくバイキングの「勇敢に戦って死ぬと戦乙女が魂を迎えに来てヴァルハラへ行ける」という伝承に似ていますね。そして死亡するとその亡骸は炭素分解され、塵にされて宇宙空間に放出されます。葬儀に参列する他の船は“Colors”と呼ばれる花火のような光を放ってその塵を照らします。こうすることでラヴェジャーズは、死者を銀河の瞬く星の中に再び見出すことができるようになるようです。ラヴェジャーズへの復籍が果たされないということは、この死後「星になる権利」もない、ということなのでしょう。

いかがでしたでしょうか。もし貴方がラヴェジャーズのメンバーだったらうまくやっていけそうですか?  『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』において予想もしえないほどの脚光を浴び、ストーリーの主軸を担ったラヴェジャーズ。製作が決定している「Vol.3」での再登場、そしてほぼ全滅してしまったヨンドゥの氏族の再興を祈願して、手短ですが拙稿を終えたいと思います。

Eyecatch Image: https://www.instagram.com/p/BUajQujDzJP/

Writer

アクトンボーイ
アクトンボーイ

1977年生まれ。スターウォーズと同い歳。集めまくったアメトイを死んだ時に一緒に燃やすと嫁に宣告され、1日でもいいから奴より長く生きたいと願う今日この頃。

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