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『グレイテスト・ショーマン』米国で異例の“じわじわ”大ヒット!その理由は観客の熱狂的支持

グレイテスト・ショーマン
(C)2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

いよいよ日本に上陸する映画『グレイテスト・ショーマン』が、米国にて異例の“じわじわ”大ヒットを見せているという。米Vulture誌が伝えた。
本作は米国で2017年12月20日に公開されるも、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)や『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』(4月6日日本公開)といった大ヒット作に囲まれて、いわばスタートダッシュには失敗した格好だった。しかし、そこから観客の絶大なる支持を得て大ヒットに結びついたわけだ。

ヒュー・ジャックマン、ゼンデイヤ、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズらを出演者に迎えた『グレイテスト・ショーマン』の見どころを、息の長いヒットの理由から探っていくことにしよう。

グレイテスト・ショーマン
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

大ヒットの決め手は「作品を信じること」

『グレイテスト・ショーマン』は、『レ・ミゼラブル』(2012)以来のミュージカル出演となるヒュー・ジャックマンが、実在する19世紀の興行師P・T・バーナムを演じる物語だ。監督は今回がデビュー作となるマイケル・グレイシー、脚本はジェニー・ビックスと『美女と野獣』(2017)のビル・コンドンが執筆。劇中曲の作詞は『ラ・ラ・ランド』(2017)のベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当した。

ところが、豪華キャストと注目のスタッフによるコラボレーションにもかかわらず、本作は当初、批評家からの厳しい評価を受けた。辛口で知られるレビューサイト、米Rotten Tomatoesでは約半分の批評家が否定的な評価を示して「55%フレッシュ」を記録。現地メディアに掲載された批評も、決して前向きなものではなかったのである。

話題作がひしめくクリスマスの劇場公開、そして批評家からの厳しい声は、結果的に観客を『グレイテスト・ショーマン』のスクリーンから遠ざけることになってしまった。全米3,000館以上での封切りにもかかわらず、公開後3日間の興行収入は880万ドル。20世紀フォックス社の国内配給を担当するクリス・アロンソン氏は「はっきり言って、終わったと思いました。880万という数字は、どう考えても良い滑り出しではなかったんです」と振り返る。

ところがその後、観客の間で思わぬ動きが生じてきた。フォックスによる懸命なプロモーションからは独立する形で、ファンが『グレイテスト・ショーマン』の口コミをSNSで拡散しはじめたのである。しかもヒュー・ジャックマンをはじめとした豪華出演者の歌う楽曲が収録されたサウンドトラックは、ビルボードのアルバム・チャートを少しずつ上っていった。
これに付随するかのように、公開2週目の週末は1,550万ドル、3週目の週末は1,380万ドルと、本作の興行成績は思わぬ粘りを見せるようになる。サウンドトラックはアメリカ・イギリス・オーストラリアのポップチャートで第1位を、iTunesでも75ヶ国で第1位を獲得し、売上記録を評価されて「ゴールドディスク」にも選定された。
さらにキアラ・セトルによる劇中曲“This Is Me”は、第75回ゴールデングローブ賞の最優秀歌曲賞に選ばれたほか、第90回アカデミー賞の主題歌賞にもノミネートされている。

こうした動きは、一度は批評家による酷評ばかりが目立ったRotten Tomatoesにもストレートに表れた。批評家にとっては「55%フレッシュ」だった本作を、観客の89%が肯定的に評価しているのである(2018年2月15日時点)。この数字は2017年の大ヒット作、『スパイダーマン:ホームカミング』や『ワンダーウーマン』などをしのぐものだ。

グレイテスト・ショーマン
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

こうして『グレイテスト・ショーマン』は、公開10週目にして米国で1億4,700万ドルの興行収入を記録(海外では1億6,700万ドル)。興行収入分析の専門家によれば、こうした“じわじわ”大ヒットは「ほかの映画にはほとんどない」例であり、また米Fandangoのエリック・デイヴィス氏も「観客の口コミが成功に導いた」のだと述べている。

むろんフォックス側が、厳しい状況に屈することなく本作をアピールし続けたことも功を奏したといえそうだ。鳴り物入りでのプロモーションが失敗してもなお、劇中のパフォーマンスに観客が参加できる“一緒に歌おう(Sing-along)”上映を用意するなど、観客の興味を惹きつける仕掛けを忘れなかったのである。
本作のヒットについて、クリス・アロンソン氏は「私たちは作品を知らねばなりません。観客に受け入れてもらえる作品だと信じなければならないんです」と語っている。「私は(映画を)ボトルワインに例えます。落ち着いてやれば、良いものになる。グラスへ一気に注いでしまえば“ああ、もういいよ”で終わりですが、ゆっくりとやれば、ちゃんと味わってもらえるんですよ。」

批評家の評価とは裏腹に、観客の熱狂的な支持を獲得した『グレイテスト・ショーマン』。その圧倒的なパフォーマンスと作品の世界を、ぜひスクリーンで堪能してほしい。

映画『グレイテスト・ショーマン』は2018年2月16日より全国ロードショー

『グレイテスト・ショーマン』公式ウェブサイト:http://www.foxmovies-jp.com/greatest-showman/

[お詫び]
記事初出時、本文の興収金額に誤りがございました。現在は訂正させていただいております。
謹んでお詫び申し上げます。

Sources: http://www.vulture.com/2018/02/the-sneaky-slow-burn-success-of-the-greatest-showman.html
https://www.rottentomatoes.com/m/the_greatest_showman_2017/
http://www.boxofficemojo.com/movies/?page=main&id=greatestshowman.htm
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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