【つらい】ミシェル・ゴンドリー監督が明かす『グリーン・ホーネット』の真実。監督人生で最悪の経験?
『エターナル・サンシャイン』などで知られるミシェル・ゴンドリー監督が、自身のキャリアでも異色作にあたる『グリーン・ホーネット』について語った。ハリウッドの大手スタジオで映画を撮ることは、彼にとって非常につらい経験だったようだ。

http://www.hollywoodreporter.com/news/director-michael-gondry-talks-eternal-908116
はじまりは1990年代
そもそも『グリーン・ホーネット』とは、古くは1930~40年代から、映画・コミック・ドラマなどで長年人気を博してきたシリーズだ。その再映画化プロジェクトにゴンドリー監督が加わったのは、映画が公開される15年ほど前、1996~97年ごろだった。
「私は『グリーン・ホーネット』の最初のバージョンに数年間かかわったんだ。『ロボコップ』や『スターシップ・トゥルーパーズ』を書いた、脚本家のエドワード・ニューマイヤーと作業したんだ。私たちはとても刺激的なシナリオを書いたよ」
しかし1ヶ月後、プロジェクトはいきなり暗礁に乗り上げる。
「当時のスタジオ、ユニバーサルの幹部からプロジェクトを延期すると聞かされてね。彼らは私に、『つぎにプロジェクトを選ぶときは上層部に確認してくれ』と言ったんだ。とても失望したよ。そう言った男こそ、私にプロジェクトに加わるよう求めてきた人間だったからね。私のキャリアでも特に悪い出来事だ」

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10年越しの再登板
その後、『グリーン・ホーネット』のプロジェクトがゴンドリー監督のもとに戻ってきたのは2009年だった。監督を務める予定だったチャウ・シンチーが降板、その後を継ぐかたちで正式に監督として参加したのだ。製作会社はコロンビア・ピクチャーズに移っていた。
無事に完成した『グリーン・ホーネット』は2011年に公開され、興行的には上々、評価的には良くも悪くもない成績を収めている。しかし撮影中には、主演・脚本・製作総指揮を兼任するセス・ローゲンとの不仲が噂されたようだ。これについて監督は、
「いや、そうでもないね。彼(ローゲン)はとても良かったし、我々はとても上手くやったよ。ただ時々、自分の居場所を見つけるのが難しかったんだ。彼が本を書いて、演じて、映画をプロデュースしていた。だから、私が自分自身を表現するのは大変だったよ。自分のことが脇に置かれてるとは思わなかったけど」
と、なんともいえない回答をしている。

https://moviesovermatter.wordpress.com/2011/01/21/the-green-hornet/
いずれにしろゴンドリー監督は、『グリーン・ホーネット』以降、ハリウッドのスタジオが製作する作品には携わっていない。その理由を問われると、
「たくさんの脚本を読むけど、大規模で予算のかかる映画と恋に落ちるのは難しいんだ。参加するときには脚本作業がすっかり進んでいる。もうそのときには、創造性を発揮したり、キャラクターやストーリーとつながったりする余白はないって思うんだよ」
と述べている。監督は自身の作風を「いつも極めてパーソナルなものを撮る」ところだと評しているが、その性質がハリウッドの製作スタイルと合わないのだろうか。またいつか大作映画も観てみたいところだが……。
ミシェル・ゴンドリー監督の新作は、自身の自伝的作品『グッバイ、サマー』。日本では2016年9月12日公開予定だ。
source:
http://www.hollywoodreporter.com/news/director-michael-gondry-talks-eternal-908116
http://eiga.com/news/20090226/3/