ジェームズ・ガン、DC移籍を最初に報告したのはケヴィン・ファイギだった ─ ファイギ「5月まではマーベルの仕事がたくさんあるから」

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのジェームズ・ガン監督によるDC映画への本格移籍は、世界中のコミック映画ファンに衝撃を与えた。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で大作映画の研鑽を積んだガンが、ライバルであるDC映画を手がける新会社「DCスタジオ」の共同会長兼CEOに就任。今後はDC原作の映画・テレビドラマ・アニメの製作に携わるのである。
では実際のところ、ガン監督とマーベルの現在の関係はどうなっているのか? とあるユーザーが「もうケヴィン・ファイギ(マーベル・スタジオ社長)のことが嫌いになったんですか?」と尋ねると、ガンはこれをきっぱりと否定している。
Not only do I love Kevin, he was the 1st person I told after I did the deal with DC (@JohnCena was the 2nd). Contrary to popular belief, a dollar less for Marvel is not a dollar more for DC. DC & Marvel have the common goal of keeping the theater-going experience vibrant & alive! https://t.co/5iiGEWS5Zc
— James Gunn (@JamesGunn) October 28, 2022
「ケヴィンのことは大好きどころか、DCとの契約を結んだ後、僕が最初に報告したのが彼でした(2人目はジョン・シナ)。一般的に信じられていることとは違い、マーベルの収入が1ドル減るからといって、DCの収入が1ドル増えるわけではないんです。DCとマーベルには、劇場体験を活発化・活性化しつづけるという共通の目標があります!」
そもそも時を遡ってみれば、ガン監督のDC移籍のきっかけは、過去の不適切な言動を理由に、ディズニーが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(原題)』からガンを一時解雇したことだった。のちに復職には至ったものの、それまでにガンはDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021)に就任。これが今回のDCフィルムズ社長就任に繋がったことは想像に難くない。
しかしながら、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からガンを解雇するという判断はディズニーの幹部によって下されたもの。ファイギさえも関与できなかったというから、この事件が両者の関係に溝を作ることはなかったのだ。現にガンは、『ザ・スーサイド・スクワッド』の撮影現場にファイギを招いてもいる。ふたりの関係性は「マーベル vs DC」という構図には決して収まらないものなのだろう。
一方のファイギも、ガンのDCフィルムズ就任の報については好意的に反応した。一方、米Deadlineの取材では「彼には(2023年)5月までマーベルの仕事がたくさんありますからね、それは本人もわかってるはず」とニヤリ。「その後は、彼の仕事ならなんでもすぐに見に行きますよ」とエールを送った。ガンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/ホリデー・スペシャル(原題)』の配信を11月25日に、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』の米国公開を2023年5月5日に控えているのである。
ガン監督とプロデューサーのピーター・サフランは、2022年11月1日付でDCフィルムズの共同社長兼CEOに就任する。しかし、映画のポストプロダクション(撮影後作業)は公開直前までかかるほか、プロモーションについては事前に何らかの契約が結ばれている可能性もありそうだ。DC側もそのことは理解しているはずで、就任後しばらくは移行期間となることも考えられる。ともあれガン監督とファイギの関係は──その後はビジネスの範疇を超えて──きっと長く続いていくはずだ。
Source: Deadline