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『ゴジラvsコング』監督、キングコングの変化をクリント・イーストウッドで説明

まさしく世紀の一戦である。映画『ゴジラvsコング』では、日本の誇る怪獣王ゴジラと、アメリカ映画界が誇るモンスターの長・キングコングが再び対決を果たすのだ。予告編でも「戦いに決着がつく」と示唆されているように、本作を手がけるアダム・ウィンガード監督は、早くから対決の勝敗をはっきりさせる意志を明かしていた

以前、プロデューサーのアレックス・ガルシア氏は、ゴジラとキングコングについて「どちらも本質的な悪ではないし、本質的な善でもない」と以前語っていた。そこには「複雑な問題が横たわっている」というが、本作では2体の怪獣をどう描くのだろうか。英Total Filmでは、ウィンガード監督が独特の切り口で怪獣へのアプローチを口にしている。たとえば、キングコングの場合はこうだ。

「キングコングをただの動物とは思っていません。彼は拳銃で戦わないガンマンのような、いわば人生最良の時期を過ぎた、下り坂のアクション・ヒーロー。僕が考えるに、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)は1970年代が舞台だったから、コングをクリント・イーストウッドでたとえると『続・夕陽のガンマン』(1966)の頃。だけど、今回のコングは『許されざる者』(1992)のクリント・イーストウッドです。彼は行き詰まっていて、最高の時を過ごしてはいない。きっかけがあれば、今でも立ち上がって勝負に出られる状況ではあるんですけどね。」

従来、『キングコング:髑髏島の巨神』に登場したキングコングはまだ成長期だったと言われていたため、『ゴジラvsコング』ではその成長ぶりにも大きな期待が寄せられていた。しかし、成長とはただ強くなることを意味してはいないようだ。劇中で約50年を経て再登場するコングは、生物としての成熟とともに挫折を噛み締めているのかもしれない。

一方、ウィンガード監督はゴジラについて「性格の振れ幅があるところが好き」と語っている。しばしばファンの間でも語られる“今回は善のゴジラか、悪のゴジラか”という問題を、監督は十分に認識しているようだ。「ゴジラは善と悪と行き来するもので、僕も『GODZILLA ゴジラ』(2014)のゴジラが悪役めいていたことには興奮しました。それを踏まえると、コングはもう少しヒーローらしく思えることでしょう」

やはり今回はゴジラが悪役ポジションなのか…とも思えるようなコメントだが、『ゴジラvsコング』にはゴジラの行動に理由があると考えるマディソン・ラッセル(ミリー・ボビー・ブラウン)らの存在もある。今から判断を下すのは早計だろう。監督いわく「ゴジラとコング、どちらのファンも同じように応援できると思います。両方がそれぞれ同じくらいの存在感をもって登場しますよ」

映画『ゴジラvsコング』は2021年5月14日(金)に全国公開予定。

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Source: Total Film/Game Radar

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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