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『ゴジラ VS コング』米公開、劇場&配信の同時展開に製作元が合意へ ─ 『DUNE/デューン』は劇場独占公開の可能性を模索

ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
©2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』シリーズの最新作『ゴジラ VS コング(原題:Godzilla vs Kong)』について、製作元のレジェンダリー・ピクチャーズが、ワーナー・ブラザースによる米国での配信リリース戦略に合意する方針だという。米The Hollywood Reporterが報じた。

2020年12月、ワーナーは2021年公開の映画17作を、米国にて劇場公開と同時にHBO Maxで配信リリースすることを発表。ラインナップには『ゴジラ VS コング』や『DUNE/デューン 砂の惑星』、DC映画『ザ・スーサイド・スクワッド』、『マトリックス4(原題:The Matrix 4)』などの話題作が多数並んでいた。しかし『ゴジラ VS コング』『DUNE/デューン』を手がけたレジェンダリーは、ワーナーからの事前通告がなかったとして訴訟を検討していると報じられたのである。

しかし報道から約1ヶ月を経て、レジェンダリーは、『ゴジラ VS コング』の米国における劇場公開&同日配信に合意する見込み。無事に契約が結ばれれば、本作は2021年5月21日に米国公開(IMAX上映を含む)を迎え、同日よりHBO Maxにて配信が開始される。米Deadlineによれば、ワーナーは『ワンダーウーマン 1984』(2020)の例に基づき、関係者には配信の成績に応じた追加報酬を支払う予定。レジェンダリーはキャスト&スタッフと契約交渉を継続しているが、これがワーナーとの合意に影響を与えることはないとされる。

もともとレジェンダリーは『ゴジラ VS コング』の製作費を約75%出資しており、コロナ禍で大作映画の公開スケジュールが乱れる中、Netflixからの配信オファーを引き受ける構えがあったとのこと。Netflixは本作の配給権を2億2,500万ドルで購入しようとしていたが、両者の契約はワーナーによって阻止されている。

一方、同じくレジェンダリー製作の『DUNE/デューン』については、劇場&配信の同時展開ではなく、従来通りの劇場公開が視野に入っているという。これはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が劇場での独占公開に強いこだわりを示しているため、また米国公開予定の2021年10月には新型コロナウイルスのワクチンが普及している可能性があるためで、ワーナーとレジェンダリー、ヴィルヌーヴ監督は劇場公開に関する複数のアプローチを検討しているという。

もしも『DUNE/デューン』が劇場&配信の同時展開ではなくなる場合、他の作品もこれに追随する可能性がある。2021年12月に米国公開予定の『マトリックス4』を手がけたラナ・ウォシャウスキー監督は、ヴィルヌーヴと同じく劇場での独占公開にこだわっているとのこと。ワーナーは配信にまつわる交渉を各所と進めているというが、果たして劇場&配信の同時展開をどこまで守る意向なのだろうか。

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Source: The Hollywood Reporter, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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