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『DUNE/デューン』米配信撤回なるか、製作会社レジェンダリーの抵抗で新たな可能性

DUNE/デューン 砂の惑星
©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ティモシー・シャラメら豪華キャストによるSFアクション大作、DUNE/デューン 砂の惑星の米国におけるリリースをめぐって、製作会社レジェンダリー・ピクチャーズの抵抗が新たな可能性を生むことになるかもしれない。

2020年12月4日、米ワーナー・ブラザースは、2021年公開予定の映画17作を、劇場公開と同時にHBO Maxにて配信リリースすることを決定。ラインナップには『ゴジラ VS コング(原題:Godzilla vs. Kong)』やDC映画『ザ・スーサイド・スクワッド』、キアヌ・リーブス主演『マトリックス4(原題:The Matrix 4)』など、そうそうたるタイトルが並んでいた。しかし『ゴジラ VS コング』『DUNE/デューン』を手がけたレジェンダリーは、作品に多額の出資を行ったにもかかわらず、ワーナーから配給戦略に関する相談や事前通告を受けなかったとして、ワーナーを相手取った訴訟を検討していると報じられたのである。

このたび米Deadlineは、いわば一触即発ともいうべき状況にあるワーナーとレジェンダリーの関係性を解決するため、『DUNE/デューン』については「シリーズの可能性を守るため、従来通りの劇場公開を守るという噂がある」と報じている。レジェンダリーの抵抗のほか、別の要因として考えられるのは、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴがワーナーへの不信感を表明したことだ。

ヴィルヌーヴはワーナーの戦略発表直後、「映画製作は双方の信頼の上に成り立つ共同作業。ワーナーは自分たちが同じチームではないと宣言した」と厳しい視線を向けていた。「ストリーミングは素晴らしいコンテンツを生み出せる。しかし『デューン』の範囲と規模では難しいのです。ワーナーの決断は『デューン』が財政的に成功する可能性が無いということを意味しています」「『デューン』シリーズが台無しになってしまったかもしれない」。もともと、ヴィルヌーヴが2部作構想を前提に『DUNE/デューン』に就任していたという背景も見落とせない。

もうひとつの要因として考えられるのは、新型コロナウイルスのワクチン開発が異例のスピード感をもって進められており、アメリカ国内ではすでに接種が始まっていることだ。Deadlineは「ワクチンは(2021年)晩春にも広く行き渡るだろうと推測されており、10月1日という『DUNE/デューン』の公開日はそれよりもずいぶん先になる」と記した。一方、この点を鑑みて、5月21日に米国公開予定の『ゴジラ VS コング』は劇場と配信の同時展開が維持される可能性もあるという。

ワーナーによるコロナ禍を受けての新戦略は、作り手やパートナーへの事前通告が十分になされなかったがために思わぬ反発を招いた。『TENET テネット』(2020)でコロナ禍のなか劇場公開の先陣を切る役割を担ったクリストファー・ノーランや、『ザ・スーサイド・スクワッド』のジェームズ・ガンらも批判的なコメントを発表しており、業界内での反応には依然として大きな注目が集まっている。

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Source: Deadline

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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