『ハミルトン』映画版、創造者が「細部まで見事に記録」と絶賛 ─ 出演者からも驚きの声

トニー賞&ピューリッツァー賞受賞の傑作ミュージカル、『ハミルトン』がDisney+(ディズニープラス)にて配信開始となった。“アメリカ建国の父”といわれるアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップやR&B、ソウルなどの音楽で綴る本作は、2015年にオフ・ブロードウェイで初演されるや絶賛を浴びてブロードウェイに進出。「最もチケットが取れない舞台」として驚異的な人気を誇った。
配信中の映画版は、2016年6月、ブロードウェイのリチャード・ロジャース・シアターで上演されたオリジナル・キャストの舞台を収録したもの。舞台を演出し、映画版の監督を務めたトーマス・ケイルは上演3回分を撮影し、無観客での収録も行っている。まさしく“こだわりの映画版”、出演者たちは一体どう観たのだろうか? 米Cinema Blendにてそれぞれが語っている。

製作・脚本・音楽・作詞・主演を務めた“生みの親”であるリン=マニュエル・ミランダは、ケイル監督が「必要な場所すべて」にカメラを置いていたことを明かし、それによって「(上演の)細部まで見事に記録された」映画版になっていると自信を示した。「たとえセリフを喋っていなくとも、アンサンブルのメンバーがいかに正確に演じているかがわかります。僕も出ていたので、自分では観られなかったところを観られてうれしい」。
アンジェリカ・スカイラー役のレネイ・エリース・ゴールズベリイも、カメラによって上演が収録されたことで「ビックリした場面がたくさんあった」と語る。「とても近いし、アングルも素晴らしい。私も、自分では覚えていないようなことをやってるんですよね。長いこと出ていた私たちでさえ驚かされます」。
また、ジョン・ローレンス&フィリップ・ハミルトンの1人2役を演じたアンソニー・ラモスは「とんでもない、ものすごい体験だった」と興奮の言葉を漏らす。ジョージ・ワシントン役のクリストファー・ジャクソンも、「800回くらいやったので、みんな色々とわかっています。それでも初めて見るものもあった」と話した。「僕たちが毎回のステージでやっていたことがきちんと記録されていて驚きました。困難さと精密さが織り込まれた、とてもレベルの高いパフォーマンスだと思います」。

一方、リンは「史上最もたくさんリハーサルされた映画かもしれませんね」と述べ、舞台を記録した作品ならではのメリットを語ってもいる。「カメラが回る前に、出演者がこれほど準備できた映画があるのかどうか。まあ、僕たちはそういうことではなくて、舞台をやるのが仕事だったんですけど」。ちなみに、ジョージ役のジャクソンは「撮影のために(舞台に)何か付け足したりは一切していません」と強調している。
もともと、本作は2021年10月に米国にて劇場公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて大幅に公開を繰り上げ、Disney+での発表となった。しかし、出演者たちも驚いたほどの“映画版”である、リンは将来的な劇場公開を諦めてはいないようだ。米Varietyの取材では、配信のリリースを喜びつつ、「映画館の再開後、上映される可能性があることを祈っています」と述べられている。
ミュージカル『ハミルトン』はDisney+(ディズニープラス)にて配信中。なお、本記事時点では英語音声のみが提供されており、日本語字幕版については追って告知される。
Source: CinemaBlend(1, 2), Variety, Comicbook.com