『エターナルズ』クロエ・ジャオ監督新作『ハムネット』予告編公開 ─ 『関心領域』撮影監督の映像美、『グラディエーターII』ポール・メスカル主演

『ノマドランド』(2020)でアカデミー賞作品賞・監督賞に輝いたクロエ・ジャオ監督の最新作『ハムネット(原題)』のティザー予告編が米国で公開された。
本作は、劇作家ウィリアム・シェイクスピアの名作『ハムレット』の誕生に基づく、妻アン(映画ではアグネスに名前が変更されている)と夫ウィリアムの語られざる愛の物語。『ハムレット』が執筆される前、二人の間には双子の子どもがいた。しかし1596年、そのうちのひとり、息子のハムネットは11歳でこの世を去っていた──。
「物語を聞かせて」「どんな物語がいい?」「あなたが感動した物語を」──。
マギー・オファーレルによる原作小説は、“悪妻”として長年語られてきた妻アン=アグネスとウィリアムの物語を新たな視点から再解釈した。ペストが流行するさなか、仕事のためロンドンに滞在していた夫に代わり、いかに妻は戦いながら子どもたちを守ったのか。
予告編では、ウィリアムがアグネスのお腹に触れていう。「本当? ここに触れた人のすべてがわかるって」「すべてじゃないよ」「何が見えた?」「景色が見えた」。
「景色って?」「えっと……空間、洞窟。トンネル。海。未知の国。深く、暗く、黒い闇」
ジャオ監督にとっては、マーベル映画『エターナルズ』(2021)以来4年ぶりの新作映画。大作フランチャイズの世界を離れ、ジャオ本来の持ち味が発揮されているであろう本作には、スティーブン・スピルバーグ&サム・メンデスという巨匠監督2人がプロデューサーとして参加した。
予告編は、ウィリアムとハムネットがそれぞれ「何が見えた?」と尋ねる言葉で締めくくられる。アグネスの答えは「あなたが生きていくところ」。
撮影監督は『関心領域』(2023)のウカシュ・ジャル。ジャオ作品の特徴である、自然や風景をダイナミックに捉えた映像美を初めてのタッグでともに作り出した。世界の大きさを切り取るロングショットと、人物の内面に潜り込むようなクローズアップによって、夫婦と家族の物語が、そして『ハムレット』誕生の物語が語られる。
出演は『MEN 同じ顔の男たち』(2022)のジェシー・バックリー、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(2024)のポール・メスカルのほか、『ブルータリスト』(2024)のジョー・アルウィン、「デューン 預言」(2024)のエミリー・ワトソン。ハムネット役は『ピーター・パン&ウェンディ』(2023)のジャコビ・ジュペが演じた。脚本はジャオ監督と原作者のマギー・オファーレルが執筆した。
なお、ジャオ監督は2025年10~11月に開催される第38回東京国際映画祭にて「黒澤明賞」を受賞することが決定した。映画祭での日本初上映が実現することも期待される。
映画『ハムネット(原題)』は2025年11月27日より米国公開され、12月12日より全米拡大上映される。海外配給はユニバーサル・ピクチャーズ。