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実写版『白雪姫』をアニメ版監督の息子が批判 ─ 「コンセプトが違う」「ディズニーや父へのリスペクトがない」

白雪姫
RKO Radio Pictures/Photofest

名作アニメ『白雪姫』を新たに実写で甦らせるディズニーの新映画『スノー・ホワイト(原題:Snow White)』について、1937年のオリジナル版デイヴィッド・ドッド・ハンド監督の息子であるデイヴィッド・ヘイル・ハンドが、痛烈な批判を寄せている。オリジナル版から設定や物語を一部改変した実写化は、「リスペクトがない」というものだ。

この新実写版では、白雪姫役を『ウエスト・サイド・ストーリー』(2021)『シャザム!~神々の怒り~』(2023)で知られるラテン系俳優のレイチェル・ゼグラーが演じる。白雪姫は作中でも“雪のように白い肌”が特徴として語られる。また、7人の小人は白人男性の小人たちだったが、実写版では性別も肌の色も多様な顔ぶれによって演じられる。

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1937年のオリジナル版で描かれた物語は、毒リンゴを口にした白雪姫が永遠の眠りについた後、白馬の王子の口付け(=真実の愛)によって再び息を吹き返し、王子の国で末長く幸せに暮らすというもの。このアニメ映画はディズニー長編映画第1弾であり、白雪姫は“最初のディズニープリンセス”となっている。

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実写版ではこのプリンセス物語にも現代的な改変が加えられる。「彼女は真実の愛を夢見るのでなく、リーダーになれることを夢見ています。恐れを知らず、公正で、勇敢で、真摯であればリーダーになれると、亡き父から教えられたように」と、白雪姫役のゼグラーは既に明らかにしている。また、「ポリコレ版『白雪姫』」とジョークにされていることも認知しながら、「そうなんです。アニメ版はもう85年前になる。私たちのバージョンは、“いつか王子様が”以上の機能を持つ、若い女性の爽やかな物語なのです」と紹介していた。

こうしたアレンジに“待った”をかけたのが、オリジナル版監督の息子だ。自身もディズニー作品のアニメーターとして従事したことのあるハンドは、「そもそもコンセプトが違ってきているし、私は全く同意できません。私の父も、ウォルトも大反対だと思いますよ」と米The Telegraphで苦言。特定の人物や具体的な方針を挙げたわけではないが、「過去の大成功から、全く新しいことをやろうとする」ディズニーの姿勢には反対だとし、次のように語った。

「彼らの考えは、とても急進的になっています。ストーリーを変えて、キャラクターの過程を変えて、新しい“woke”なものを作り上げているわけですが、私は全く感心しません。彼らが古典映画のいくつかにやったことは、率直に言って、少し侮辱的だと思います。ディズニーの行いや、父の行いに対してリスペクトがない。ウォルトも父も、あの世で嘆いていると思いますよ。」

ディズニーによるアニメ作品実写化企画では、『リトル・マーメイド』(2023)でもアリエル役のキャスティングをめぐって賛否があった。『スノー・ホワイト』でも同様に、製作者の意図が詳しく語られたり、予告編映像やビジュアルが解禁されたりしないうちから、キャスティングや解釈をめぐる議論が先行する形となった。

『スノー・ホワイト』本撮影は2022年7月までに済まされている。2024年の米公開予定。

Source:The Telegraph,THR,Variety

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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