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ヒーロー映画引退宣言のハンス・ジマー、『X-MEN: ダーク・フェニックス』『ワンダーウーマン 1984』で復帰する理由とは

ハンス・ジマー
Photo by JannikSet1 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hans_zimmer_2014.jpg Remixed by THE RIVER

『ブレードランナー 2049』(2017)や『ダンケルク』(2017)をはじめ多数の作品で音楽を手がける、今やハリウッドになくてはならない作曲家ハンス・ジマーは、かつて『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)に参加した際、“ヒーロー映画引退”を宣言した。しかしそれから約3年を経て、2019年、ハンスはヒーロー映画に戻ってくる。

マーベル映画『X-MEN』シリーズの最新作『X-MEN: ダーク・フェニックス(邦題未定、原題:X-Men: Dark Phoenix)』、DC映画ユニバース作品『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』。一度はヒーロー映画を去ると決意した男が、なぜ2本の作品を引き受けることにしたのか? 米Colliderの取材にて復帰の経緯が語られている。

ハンス・ジマー
Photo by JannikSet1 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hans_zimmer_2014.jpg Remixed by THE RIVER

ヒーロー映画復帰、キーパーソンは名匠ロン・ハワードだった

「なぜヒーロー映画に復帰するのか」。それ以前に問題となるのは、なぜハンスがヒーロー映画からの引退を決意したかであろう。『バットマン vs スーパーマン』当時を回想して、ハンスはこう語っている。

「(ヒーロー映画では)自分のやりたいことを失ってしまったんです。新しいアイデアが出てこなかったし、参加したいとも思わなくなりました。するとロン・ハワードが――最高の知性の持ち主だし、親友なんですが――静かにこう言ったんです。“ハンス、やらないとは言うな、いつでもやるべきだ”と。」

『アポロ13』(1995)や『ビューティフル・マインド』(2001)、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)を手がけた名匠ロン・ハワード監督が、ハンスのヒーロー映画引退宣言をギリギリで引き留めていたのだ。ハンスも「ジャンルが問題ではないですから」と述べ、「僕は素晴らしいストーリーを待っていたんですよ」と語っている。

ロン・ハワード
ロン・ハワード Photo by Dick Thomas Johnson https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/42769863832/ Remixed by THE RIVER

その後、ハンスにオファーを出したのが『X-MEN: ダーク・フェニックス』のサイモン・キンバーグ監督だった。監督から作品の意図を直接聞いたハンスは「ずっとやってみたかったアイデアがあって、それが映画にハマりそうだった」として、ヒーロー映画への復帰を決意したそうだ。

また『ワンダーウーマン 1984』についても、パティ・ジェンキンス監督のアイデアが「本当に面白かった。関わりたくなるストーリーだった」ことが大きな理由だったという。そして、なによりも『バットマン vs スーパーマン』でワンダーウーマンのテーマを自ら手がけたことが背中を押したのだろう。ハンスは「(自分の仕事を)終えなきゃいけないと思ったんです」と話している。

一度は引退を宣言するに至ったハンスをヒーロー映画へと引き戻した、サイモン・キンバーグ&パティ・ジェンキンスという二人のクリエイターのアイデアとはいったいどんなものだったのか。どちらの作品も内容は謎に包まれたままだが、映画音楽の重鎮を動かしたストーリーは今から期待しておいて間違いないだろう。

ちなみに、ハンスは久々となるヒーロー映画復帰について「うまくいくかどうかはわかりませんよ」と笑っている。

映画『X-MEN: ダーク・フェニックス(邦題未定、原題:X-Men: Dark Phoenix)』は2019年2月14日、『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』は2019年11月1日より米国公開予定。

Sources: Collider, Comicbook.com
Eyecatch Image: Photo by JannikSet1 Remixed by THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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