デンゼル・ワシントン主演の黒澤明リメイク『天国と地獄』予告編が米公開 ─ スパイク・リー監督作、スコセッシも絶賛

黒澤明の傑作映画『天国と地獄』(1963)を、デンゼル・ワシントン主演&スパイク・リー監督のタッグでリメイクした『天国と地獄 HIGHEST 2 LOWEST』の本予告編が米国で公開された。
ワシントン&リーのタッグは、『モ’・ベター・ブルース』(1990)『マルコムX』(1992)『ラストゲーム』(1998)『インサイド・マン』(2006)に続いて19年ぶり5回目。本作はカンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティションで公式上映された。
原作の『天国と地獄』は、エド・マクベインのミステリ小説『キングの身代金』に基づき、製靴会社の常務が、運転手の息子を自分の子どもと間違えて誘拐されたことから身代金をめぐる犯人との攻防に臨む物語。ハリウッドリメイク版である今回は、現代のニューヨークを舞台に、デンゼル演じる“業界一の耳を持つ”大物音楽プロデューサー、デヴィッド・キングが誘拐事件に巻き込まれる。
「新しいミックスでもムードミュージックでもなく、“テーマ”が欲しいんだ」とキングは言う。彼の狙いは売却したレコード会社を買い戻すことだ。「人生には金儲けだけじゃなく、誠実さもある。自分が信じるものもある」と語ると、運転手のポール・クリストファーは「望むものを手に入れるには、クレイジーにならなきゃいけないときもありますよ」と応じた。
“キング・デヴィッド、すごいだろう。俺もすっかり注目の的だ、やっと話を聞いてくれるんだな”。謎の人物からの電話は、息子のトレイが誘拐されたことを示していた。“真っ黒のバックパックに1,750万ドル。遊びだと思うなら試してくれ”。
息子を取り戻すべく、キングは奔走することになる。“午前11時、金儲けの街マンハッタン行きの地下鉄に乗れ”。キングは息子を解放すれば見逃すと説得するが、犯人は“もう遅い”と応じる。「まだ遅くない」と言うと、犯人は激昂した。“お前はもう神じゃない、俺が神なんだ!”。
難航する交渉をキングは乗り越え、息子を無事に取り戻すことができるか。「欲しいもののためにすべてを賭けることの意味を私は知っている。よくわかっている。何も持っていないのに、すべてが欲しくなることを」。
映画史に残る名シーンでもおなじみの『天国と地獄』を、監督のリーはいかに現代のアメリカへ置き換えたのか。すでにRotten Tomatoesでは批評家スコア89%という高評価を得ており、巨匠マーティン・スコセッシも絶賛したという。
共演者は『アメリカン・フィクション』(2023)『THE BATMAN ―ザ・バットマン―』(2022)のジェフリー・ライト、「ゴッドファーザー・オブ・ハーレム」(2019-)のイルフェネシュ・ハデラ、『ジョン・ウィック』(2014)のディーン・ウィンターズ、『ティル』(2023)のジョン・ダグラス・トンプソン、そしてラッパーのアイス・スパイス&エイサップ・ロッキー。
脚本は劇作家の新鋭アラン・フォックス。製作はA24&Apple、プロデューサーは『イコライザー』シリーズなどのトッド・ブラックと『AIR/エア』(2023)のジェイソン・マイケル・バーマンが務めた。
映画『天国と地獄 HIGHEST 2 LOWEST』は2025年9月5日よりApple TV+にて独占配信開始。
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