カンバーバッチ、ドクター・ストレンジ役の苦労を救ったのはトム・ホランド&ロバート・ダウニー・Jr. ─ 「二人から多くを学びました」

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)でスパイダーマン役を演じるトム・ホランドは、以前“信頼する先輩”として、同じくMCUで共演したアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr.と、ドクター・ストレンジ役のベネディクト・カンバーバッチの名前を挙げていた。
カンバーバッチといえば、ホランドがうっかりネタバレするのを防ぐ役目を任された苦労を語るなど、良好な先輩・後輩関係を公に語ってきた人物。しかしドクター・ストレンジ役を演じるにあたっては、自らもホランドとダウニー・Jr.に多くを学んだという。『ドクター・ストレンジ』(2016)以来のMCU映画の経験を、米Varietyの取材で率直に振り返った。
「これまで、とても素晴らしい、しかし頑強な大作映画に出演してきました。最高に楽しいけれど、時には退屈に感じます。セットに呼び出されるのを、ただじっと待っているような気分になることもあるんです。」

特に難しかったのは、やはり参加して間もない頃だったようだ。マーベル映画の巨大なシステムのなかで働きながら、いかにリラックスするか。グリーンスクリーンの前でいかに演じるのか、アクションをどうこなすのか、書き直される脚本と繰り返される再撮影にどう対応するのか──。『ドクター・ストレンジ』1作目での演技は「ちょっと硬かった」と自ら告白している。
そんなカンバーバッチを変えたのが、ダウニー・Jr.とホランドの“師弟関係”だった。2人の掛け合いを見ながら、もっとゆるやかなアプローチで演技に臨むべきだと理解したという。「彼らの気楽さと即興的な姿勢から多くを学びました。周りに巨大な装置があるので大変だけれど、そうすることが非常に大事なのだと」。

また、ダウニー・Jr.の軽やかな振る舞いが大作映画のプレッシャーをやわらげた。舞台経験が豊富なカンバーバッチを、ダウニー・Jr.は「ミスター・シェイクスピア」と呼んでイジったり、互いにシャーロック・ホームズ役を演じた経験からともに盛り上がったりしたそうだ。
ところでホランドは以前、カンバーバッチに泣く演技のコツを尋ねたところ、「横隔膜を使って、笑うように泣く」のだと教わったと明かしていた。ただし、カンバーバッチによると、あくまでも「激しい感情を呼び起こす近道はない」という。
「やり方はあるけれど、無理にやるのは間違いです。その瞬間に対応できるよう、きちんと集中しなければ。自分の人生を役立てたり、想像力を働かせたりする必要があるのです。だからこそ、若いうちは難しい。僕は48歳だから、少しは長く人生を生きてきました。喪失感や痛みを味わったこともあれば、最高の出来事もあったし、最悪の経験もあったから。」

ドクター・ストレンジの次なる登場作とみられるのは、『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題)』。ドクター・ドゥーム役として復帰するダウニー・Jr.との再共演はほぼ確実だが、スパイダーマン役のホランドとも再共演なるか。
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Source: Variety