【解説】「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」オープニング映像が示す意味とは?
「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の前日譚ドラマ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」は、第2話でついにオープニング・クレジットを公開した。世界観を表現した精巧なCG映像と、ラミン・ジャヴァディによるテーマ曲は本家「ゲーム・オブ・スローンズ」のオープニングに共通するもの。しかし視聴者が目にするのは、ウェスタロスとエッソスの地図ではない。赤い血が流れるターガリエン家の家系図だ。
「炎と血」を標語とするターガリエン家は、純粋な血統を残すことにこだわり、近親婚や一夫多妻のしきたりをもつ。「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のオープニングは、そんなターガリエン家の血統を表現している。エイゴン1世の紋章を起点に流れ出す血は、彼の姉妹/妻のヴィセーニアとレイニス、その子供たちを通過し、最終的にレイニラにたどり着く。初見ではそれぞれの紋章が誰を示しているか分かりづらいが、レイニラの紋章は、第1話でデイモンが贈ったネックレスの飾りと同じデザインのため特定しやすいだろう。
また、血の川が流れる都市は、ターガリエン家の故郷ヴァリリアだ。「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の時代より遥か昔に破滅してしまったが、ターガリエンの血統はヴァリリアに由来している。ちなみにオープニングに登場するヴァリリアは、劇中でヴィセーリス王が製作している模型と同じものと考えてもよさそうだ。
さらに、この血の流れからターガエリエン家の誰が生きていて、誰が亡くなったも分かるようになっている。紋章が血で満たされたら、その人物はもう死んだということだ。そのため、レイニラやヴィセーリスの紋章は血の川の上に残るが、エイゴン1世やジェヘアリーズら先祖の紋章は沈んでしまう。
ターガリエン家の血統をテーマとした「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」のオープニングは、「ゲーム・オブ・スローンズ」との違いを示しているようだ。「ゲースロ」では異なる地域を舞台に様々なストーリーが展開されたため、オープニングの地図が重要な意味を持っていた。一方、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」はターガリエン家の骨肉相食む抗争劇であり、オープニングではエイゴン1世以降の血筋がどのように繋がってきたかを示している。「ゲースロ」の地図がそうであったように、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」を観る上では、ターガリエン家系図を知っておくことが重要といえるだろう(ただし、今後の展開のネタバレには要注意だ)。
「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」はU-NEXTにて配信中(毎週月曜に新エピソードを配信)。
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