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トランプ大統領誕生の今だからこそ!ホワイトハウスの裏で繰り広げられる権力闘争を描く『ハウス・オブ・カード』のススメ

先日11月8日に行われた大統領選挙では、当初泡沫候補とすら見なされていた実業家のドナルド・トランプ氏が大躍進で次期大統領に当選し、世界中が驚きの声で溢れました。メキシコ系移民への強固な姿勢やマイノリティに対する差別的発言が議論を呼んでいた上、選挙直前のメール問題再燃までヒラリー・クリントン候補が当選有力と見られていただけに、その結果は驚愕を呼びました。

アメリカ大陸からは遠く海の向こうにある日本でも、最大の友好国の元首が決まる一大イベントだけに、かなり話題になっています。今後の世界情勢を占う上で重要なターニングポイントであることは確かです。

いま、このようにアメリカ合衆国大統領への関心が高まっているからこそ、見るべきドラマがあります。合衆国大統領の座を狙う政治家フランク・アンダーウッドの政治人生を描くNetflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード』です!

日本では見られないポリティカルフィクション

http://thenextweb.com/insider/2016/03/20/data-inspires-creativity/
http://thenextweb.com/insider/2016/03/20/data-inspires-creativity/

『ハウス・オブ・カード』はサッチャー首相の首席補佐官を務めたマイケル・ドブズの小説を原作にしています。もともとはイギリスのお話だったんですね。Netflixオリジナルドラマ『ハウス・オブ・カード』は先述の通りアメリカ合衆国大統領の座を狙う民主党の下院院内幹事を務めるフランク・アンダーウッドが主人公です。
彼は国務長官のポストを条件にギャレット・ウォーカーを応援、大統領選も勝利を収めますが、なんとこの約束を反故にされてしまいます。権力欲と復讐心の強いフランクはなんとしてでもウォーカーを失脚させ、いずれは大統領になる決意を固めて壮絶な陰謀を企てる…というのがシーズン1のスタートです。いわゆるポリティカルフィクションというジャンルで、日本のドラマや映画ではあまり流行らないお話です。

今夏公開の『シン・ゴジラ』は巨大不明生物に直面した政府内の対応を描いていたのでポリティカルフィクションのひとつですが、珍しいケースと言えるでしょう。ホワイトハウスで繰り広げられる政治ドラマは新感覚エンタテイメントなのです。

カリスマ的タヌキおやじ、フランク・アンダーウッド

このドラマの見所は、何と言ってもフランク・アンダーウッドの手段を選ばない狡猾な政治手腕でしょう。彼はねちっこいほどに復讐心が強く、貧しい家の出というコンプレックスも相まって非常に権力欲も強く上昇志向です。ひとつひとつチェスの駒を進めて相手陣地をじっくり攻めていくように、他人の立場と弱みを巧みに利用しながら、目の前にある問題を着実に解決していきます。そして大いなる目標である大統領の座を狙うこともまた決して忘れないのです。しかも一度狙った獲物への執着は非常に強く、他人の人生など全く顧みずにウソをつき、騙し、手軽な政治家を踏み台にしながら上へ上へとのし上がっていきます。フランク・アンダーウッドは主人公とは思えないほど嫌な人間、言ってしまえばタヌキおやじなのです。

しかし、一貫してブレない彼の哲学は、もはや芸術的です。その徹底ぶりが美しく見えてきます。公式サイトに行けば「フランク・アンダーウッド語録」があります。発言を見れば、どうしたって好かれるようなタイプの人間ではありません。周りの人間もそれはわかっているし、利用されまいと抗うのです。しかし、誰もが気づいたときにはフランクの思い通りに操られています。彼は悪のカリスマなのです。世間一般の倫理観からはかけ離れた言動をするフランク・アンダーウッドですが、だからこそ、我々の内側に潜む強き者への憧れ、人の上に立って好きなように振舞いたいという権力欲、他人の気持ちなど気にせず暴れまわたい悪徳の心がくすぐられ、ズルズルと彼の魅力に引きずり込まれていきます。絶対友達にはなりたくないのに、どこか尊敬と憧れの気持ちを抱かざるをえない、そういうアンビヴァレントな感情を刺激するのが彼のキャラクターなのです。

https://www.bustle.com/articles/15595-house-of-cards-season-2-tackles-rape-scene-like-no-other-thriller-has
https://www.bustle.com/articles/15595-house-of-cards-season-2-tackles-rape-scene-like-no-other-thriller-has

ちなみに彼の妻クレアも夫に負けず劣らず権力欲と執着心の強い人物で、夫婦がお互いに相手を利用し合いながら二人三脚で上を目指しつづています。彼女のキャラクター、どこかクリントン元大統領の夫で自らも大統領選に立候補したヒラリー・クリントンと被るところが多いのです…やはりヒラリーはクレアのモデルになっているのでしょうか?

シーズン4は大統領選!この世界の戦いの行方は…

http://screencrush.com/house-of-cards-season-4-joel-kinnaman-photo/
http://screencrush.com/house-of-cards-season-4-joel-kinnaman-photo/

じつは『ハウス・オブ・カード』も息の長いドラで2016年の春、いよいよシーズン4の配信がスタートしました。現実の政治と歩みを合わせるようにドラマ内でも新たな大統領を選ぶ選挙が始まります。シーズン4ではフランク・アンダーウッドが民主党の大統領候補指名選を戦い、やがて共和党の若き大統領候補と熾烈な争いを展開する様が描かれます。これまた裏で繰り広げられる汚れた票取り作戦など、見所もたっぷりです。様々な権謀術数を駆使して大統領の座にしがみつこうとするフランクがどのような結末を迎えるのか、ぜひその目で確かめてください。

ちなみにシーズン5の製作も決定しています。追いつくなら今がチャンスです!ぜひ『ハウス・オブ・カード』の重厚な世界を楽しんでください。

Writer

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トガワ イッペー

和洋様々なジャンルの映画を鑑賞しています。とくにMCUやDCEUなどアメコミ映画が大好き。ライター名は「ウルトラQ」のキャラクターからとりました。「ウルトラQ」は万城目君だけじゃないんです。

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