『ハリー・ポッターと秘密の部屋』ハリー&マルフォイの決闘シーン、実はカメラマンが写り込んでいる

『ハリー・ポッター』シリーズ第2弾『ハリー・ポッターと秘密の部屋』(2002)では、とある人物がうっかり“カメオ登場”してしまったことが有名な話。しかも、劇中の見せ場の一つであるシーンでだ。
厳密にはカメオ登場ではなく、写り込んでしまっただけなのだが、その人物というのがカメラマンの1人だ。劇中の1時間7分50秒あたり、「闇の魔術に対する防衛術」を教えるギルデロイ・ロックハート先生が開催した決闘クラブで、一騎打ちをすることになったハリーとマルフォイがバチバチに戦っているシーンでその時は訪れる。
ハリーから呪文「リクタスセンプラ」を受けたマルフォイは空中に吹っ飛び、数回転してから地面に倒れ込む。見かねたスネイプ先生がマルフォイの肩をがっしり掴んで持ち上げようとするその瞬間、画面の左手にご注目いただきたい。薄暗くて最初は気づかないかもしれないが、目を凝らすと子どもたちに紛れてカメラを担いでいる男性の姿が確認できるはずだ。作品の公式から公開されている以下の映像では、53秒に合わせてみてほしい。
なぜ写り込んでしまったのかといえば、編集の際にうっかり見落としがあったというほかないだろう。ハリーとマルフォイの決闘シーンは、ダイナミックさを演出するためか多方向からのカメラワークで展開していく。そのうちの1アングルとして、カメラマンも聴衆の生徒の位置でカメラを構えていたのだろう。
ところで、こういったミスは滅多に起きないものなのではと思いきや、意外に多発している。大人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズンでは、出演者の誰かが休憩中に飲んでいたと思われるスターバックスのコーヒー、2023年の大ヒットドラマ「THE LAST OF US」シーズン1第6話では上空からの俯瞰ショットに撮影スタッフ複数人、「マンダロリアン」シーズン2では画面に見切れたジーンズ姿のスタッフが写りこんでしまったことが話題となった。映画『シャザム!』(2019)に至っては写り込んだ撮影クルーにCG加工を施し、登場人物にしてしまうという力技でピンチを乗り切っていた。