『ヒックとドラゴン』父親役ジェラルド・バトラー、実写化は絶対失敗すると思っていた

実写映画版『ヒックとドラゴン』では、アニメーションの実写化作品ではきわめて珍しいキャスティングが実現している。主人公ヒックの父親、ストイック役の声優を務めたジェラルド・バトラーが同じ役柄を続投するのだ。
しかし『ヒックとドラゴン』シリーズといえば、数々の映画賞に輝いた大人気シリーズ。実写化の知らせを聞いたバトラーは、最初はうまくいくはずがないと考えていたという。米The Hollywood Reporterの取材では、「“どうかしてるんじゃないの? ひどいことになるぞ”と思った」と第一印象を明かしている。
バトラーの説得に欠かせなかったのが、アニメーション版から続投した監督のディーン・デュボアだった。バトラーの疑問に対し、建設中のセットや準備しているデザインなどを見るようにすすめたのだ。実際にセットを訪問したバトラーは、「“OK、なるほど”という感じでした」と振り返り、「まあ、ほんとはわかってたんですよ。難癖をつけてみたかっただけで」とジョークを口にしている。
もっとも、当初は実写版にバトラーを起用することはできない想定だった。バトラーは多忙のため撮影のスケジュールがみっちりと詰まっており、とても『ヒックとドラゴン』に出演できる隙間はなかったのだ。しかし2023年、全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキが起きたことで製作スケジュールが変更になり、バトラーが出られることになった。「これでうまくいくと確信しました」とデュボア監督は言う。
バトラー自身、実写版でストイック役を再演できたことには大きな手ごたえがあるようだ。
「自分自身を見ていると、“以前と同じような演技をしているな”と思うこともあれば、まったく違う演技をしていることもある。僕がやりたかったのは、新鮮な気持ちで飛び込み、新しい物語を始めて、一日中その役柄を体現することだったんです。(ストイック役で)声の演技をしていたときにはできなかった。だって毎日パジャマを着ていたから。」
オファーを受けた当初とはうってかわって、のちにバトラーは実写版『ヒックとドラゴン』を「本当に素晴らしいです。特殊効果なしで観ましたが最高でした」と絶賛。なお、本作はすでに米Rotten Tomatoesで批評家スコア82%を記録しており、アニメーションの実写化としても高い評価を得ている。

実写映画版『ヒックとドラゴン』は2025年9月5日(金)公開。
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Source: The Hollywood Reporter