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ヒュー・ジャックマン、ウルヴァリン以外のヒーローを演じる可能性認める ― ヒーロー映画は「どんどん良くなっている」

映画『グレイテスト・ショーマン』(2017)や『レ・ミゼラブル』(2012)などで知られるヒュー・ジャックマンは、そのキャリアをスーパーヒーロー映画で花開かせた俳優の一人だ。マーベル・コミックを原作とする映画版『X-MEN』シリーズでヒューが演じたウルヴァリンは、現在ほどヒーロー映画が隆盛を迎えていないころから多くの観客に支持されてきた。

ヒューは『LOGAN/ローガン』(2017)をもって、『X-メン』(2000)から17年間演じてきたウルヴァリン役を卒業した。多くのファンは復活を求めているが、本人はウルヴァリンについて「別の誰かが演じる」ものだと述べており、復帰しない意志は固いようである。

しかし一方で、ヒューはヒーロー映画に二度と出演しない意向ではないようだ。すでにインタビューでは、今後新たなスーパーヒーローを演じる可能性を認めているのである。

米MTV Newsのインタビューにて、ヒューは「DCコミックスを含め、新たなコミックのキャラクターを演じることについてどう考えていますか?」と尋ねられている。すると、ヒューは「オープンに考えていますよ、もちろん」と答えたのだった。そこにはヒーロー映画でブレイクしたスター俳優らしい、そして長年ヒーロー映画の最前線を走ってきたヒューならではの思想が見え隠れしている。

「つまり、僕は役柄を“スーパーヒーロー”だと捉えたことはないんです。ローガン(ウルヴァリン)役をもらった時でさえ、X-MENシリーズやコミックのことはそれほど知らなかった。“スゴいキャラクターがいるんだな”って感じだったんです。登場人物の全員に欠けているところがありますよね。もちろん特殊な能力は持っていますが、全員に大きく欠けているところがあって、映画ではそのことが描かれている。だから人々が共感するんですよ。」

近年のヒーロー映画の隆盛には、こうしたテーマが背景にあることをヒューは示唆している。ヒーローたちの欠点が、観客の思いと重なりあっていることに成功の秘密はあるのではないかというわけだ。

「“私にもカギ爪があったなら”なんてことを願ったりするわけですよね。究極的には、僕にも、社会から取り残されてしまうのがどういうことなのかはわかります。人に真剣に受け止めてもらえなかったり、誤解されたりすることがどういうことなのかね。そこで、“もし僕に血まみれのカギ爪だけでもあったなら”と思うんですよ。だから、彼ら(ヒーロー映画の作り手たち)はこんなに成功しているんだと思います。」

現在のヒーロー映画の勢いについて、ヒューは「圧倒されています」と感嘆する。「毎回、きちんと期待に応えていますよね。どんどん、どんどん良くなっているんですよ。」

ウルヴァリンとしての映画出演は少なくともしばらくはなさそうだが、現在のヒューは、マーベル映画にもDC映画にも出演できる状況にある。「役柄をヒーローとして捉えていない」という発想である以上、脚本さえ良ければ、また新たなヒーロー映画に登場する可能性は十分にあるだろう。いっそのこと、逆にヴィランとして活躍する映画も観てみたいような……。

ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの最終作、映画『LOGAN/ローガン』のBlu-ray&DVDは発売中

Source: MTV News

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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