『アイ,ロボット』ロボット役、主役ウィル・スミスを食ってしまい名前消される ─ 「ショックでした」

2004年に公開されたウィル・スミス主演の映画『アイ,ロボット』で、ロボットのサニー役を演じたアラン・テュディックは主演の演技を超えてしまったために名前を削除されてしまっていたという。テュディックが米ポッドキャスト番組にて苦い経験を振り返った。
『アイ,ロボット』は、アイザック・アシモフのSF小説『われはロボット』に基づく物語。ロボット工学三原則をテーマに、ウィル・スミス演じるデル・スプーナー刑事とロボットのサニーの物語を描く。
テュディックは後に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)K-2SO役などでも名を馳せるが、『アイ,ロボット』ではモーションキャプチャーと声でロボットのサニーを演じていた。公開当時にテュディックがサニーを演じていることが公表されなかったのには、次のような裏話があったという。
「テスト観客向けに試写を行って、キャラクターごとに点数をつけていたんです。僕は、“アラン、君の点数はウィル・スミスより高かった”と言われました。それで、僕は消えました。いなくなっちゃった。僕の存在は公表されなくなり、名前も言及されなくなったんです。」
どうやら、当時すでに『インデペンデンス・デイ』(1996)や『バッドボーイズ』『メン・イン・ブラック』シリーズなどで活躍し、『ALI アリ』(2001)ではアカデミー主演男優賞にもノミネートされたハリウッド・スターであるウィル・スミスの演技を”食って”しまったがために、テュディックはその名をプレスから外されることになってしまったらしい。モーションキャプチャーでロボット役を演じている俳優の存在感のほうがウィル・スミスより前面に出てしまっては、映画宣伝のフォーカスポイントがぶれてしまう……という思惑があったものと想像できるが、それにしても気の毒極まりない話である。
「すごくショックでした。“僕がロボットを演じているのに、誰にも知られることはないのか”って」と、テュディックも衝撃を受けた模様。「あの演技にはすごく力を入れていたんです。ロボットのような動きを意識して演じました。あの時は非常に動揺しましたね」。
『アイ,ロボット』では熱演にもかかわらず注目の機会を逃したテュディックだが、その後ディズニー作品などで大活躍。『シュガー・ラッシュ』(2012)キャンディ大王役ではアニー賞最優秀声優賞に輝いた。『ローグ・ワン』で演じたK-2SO役ではドラマ「キャシアン・アンドー」シーズン2にも再登板。DC作品では「ドゥーム・パトロール」(2019-2022)や「クリーチャー・コマンドーズ」(2024)でも個性的な役を演じた。映画『スーパーマン』(2025)ではスーパーマンを支えるロボット役を務めている。
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Source: Toon’d In! with Jim Cummings