『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キングが助演女優賞受賞 ─ 魂の演技でオスカー像つかむ

第91回(2019年)アカデミー賞 授賞式にて、『ビール・ストリートの恋人たち』のレジーナ・キングが助演女優賞を受賞した。
本作でレジーナが演じるのは、無実の罪で投獄された恋人ファニーのため、子どもを宿した身重の身体で闘う19歳のヒロイン・ティッシュの母親シャロン。第76回ゴールデン・グローブ賞をはじめ、全世界の数々の映画賞で栄冠に輝いてきたレジーナは、アカデミー賞には初ノミネートにして初めての受賞となった。
『ビール・ストリートの恋人たち』レジーナ・キング受賞スピーチ
ここに立てるということ、素晴らしいアーティスト、ジェイムズ・ボールドウィン(原作者)の代わりにここに立っているということ。本当に信じられません。ジェイムズ・ボールドウィンが産みだした子どもを育て、沢山の愛で包みました。
私がここに立てることはふさわしいことだと思っています。なぜなら、愛とサポートを注がれた人がどうなるかという手本に私自身がなったからです。お母さん、心から愛してる。神がいつも私の道に寄り添っていてくれると教えてくれてありがとう。
沢山の人に感謝しなければなりません。このプロジェクトを持ってきてくれたチェルシー・バーナード。アンナプルナ(・ピクチャーズ)のミーガン・エリソン、アンナプルナ、プランB、素晴らしいキャストの皆さん。マリーナ(・デ・タヴィラ)、エイミー(・アダムス)、エマ(・ワトソン)、レイチェル(・ワイズ)、皆さんの名前と一緒に自分の名前が発表されたことは光栄で素晴らしいことでした。
そしてリヴァーズ家のキキ、コールマン、テヨナ、ステファン、ありがとう。神はよくしてくれます。
レジーナ・キング、魂の演技
ジェイムズ・ボールドウィンによる小説を原作として、1970年代のニューヨークに生きる若きカップルの愛と信念を描いた『ビールストリートの恋人たち』。長年、映画化を待望してきたジェンキンス監督が、『ムーンライト』(2016)につづいて圧倒的な映像美と叙情的な音楽で綴る美しい愛の物語だ。
なおアカデミー賞の授賞式に先がけて、主人公ティッシュを優しく励まし、新しい命に対する希望と責任を語る、レジーナの演技が光る本編シーンが公開されている。レジーナに信頼を寄せるジェンキンス監督は、母親シャロンについて「ティッシュとファニーの愛と、娘の中に宿った新しい命を守ろうとするキャラクター」だと説明。レジーナの演技については「彼女の強さが自己犠牲の上に成り立っていることを観客に気づかせられる」ものだと述べた。「シャロンは周りの人たちにとっては力強い存在ですが、それゆえ自身に負荷をかけ、脆弱な部分を悟られないようにしているんです」。
映画『ビール・ストリートの恋人たち』は2019年2月22日(金)より全国の映画館で公開中。
『ビール・ストリートの恋人たち』公式サイト:http://longride.jp/bealestreet/