ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督『灼熱の魂』、デジタル・リマスター版で公開決定 ─ 世界を驚愕させたミステリー、鮮やかに甦る

2011年12月17日に日本公開されたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の出世作『灼熱の魂』が、デジタル・リマスター版として蘇り、2022年8月12日(金)より公開されることが決定した。
本作は、『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)など、ハリウッドで最も注目される監督のひとりとなったヴィルヌーヴの出世作であり、世界を驚愕させたヒューマン・ミステリーだ。第83回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、カナダ版アカデミー賞であるジニー賞で作品賞・監督賞・主演女優賞など8部門独占を果たしたほか、30か国以上の映画祭で上映され高い評価を獲得。当時海外メディアからも、「アカデミー賞は本作が受賞すべきだった!」(Wall Street Journal)、「本物の映画!素晴らしい叙事詩」(Time Magazine)、「間違いなく2011年ベスト映画!」(Metro)など絶賛評が寄せられた。
レバノン出身の劇作家ワジティ・ムアワッドによる戯曲『Incendies』が原作の本映画版。公開から10年以上経った現在の視点から見ても、胸を痛めずにはいられない民族や宗教間の紛争、社会と人間の不寛容がもたらす血塗られた歴史を背景に、その理不尽な暴力の渦中にのみ込まれていった女性ナワル・マルワンの魂の旅が描かれる。あらゆる観客が言葉を失い、胸を引き裂かれるほどの圧倒的なインパクトがみなぎっているだけでなく、残された姉弟が自身の出生にも関わる秘密を紐解いていくミステリーとしても超一級の作品だ。
デジタル・リマスター版公開のために制作されたビジュアルは、ナワルの生き様に焦点を当てた当時のデザインから大胆に変更。同じくナワルが遭遇した言葉を失う悲劇の場面を捉えながらも、本作が持つセンセーショナルさに全面フィーチャーした刺激的なデザインに一新されている。

デジタル・リマスター版『灼熱の魂』は、2022年8月12(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ他全国順次公開。
▼ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の記事
『デューン 砂の惑星PART3』2025年夏に撮影開始へ いよいよ動く ドゥニ・ヴィルヌーヴ、『デューン3』続投したい自分に驚いた ─ 「2作目でようやく終わりだと思ったが、まだ戻りたい」 少し別作品を挟む模様 『デューン 砂の惑星』ヴィルヌーヴの撮影現場、携帯電話は使用NG ─ 「映画監督はとことん集中しなければならない」 スマホは「麻薬のよう」 ノーラン、『デューン 砂の惑星 PART2』は「奇跡の映画化」と感嘆 ─ 「普通は原作を単純化するものだが、これは小説以上の世界だ」 名匠同士が熱く語る タランティーノの『デューン』観ない発言、ヴィルヌーヴ監督は「気にしていない」─ 「僕の映画はリメイクではなくオリジナル」 「僕たちは別の人間だから」