【ネタバレ】『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』なぜヘレナはアノ行動?、監督がラストを解説

この記事には、映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のネタバレが含まれています。

インディ・ジョーンズが紀元前に残れなかった理由
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』で、インディと名付け娘のヘレナたちは、1969年を舞台に、“歴史の流れを変える”アンティキティラのダイヤルをめぐって冒険に出る。物語の終盤、ナチス残党の科学者ユルゲン・フォラーはダイヤルを復元し、過去に戻ってナチス・ドイツに勝利をもたらそうとするが、一同は時空の裂け目に突入し、紀元前214年のシチリア島に着陸してしまう。
再び時空の裂け目を通って1969年に戻ろうとするヘレナだったが、インディは傷を負いながらも、人生を捧げてきた研究そのものである紀元前の世界にとどまると言い張る。ヘレナの説得に聞く耳を持たないインディは「こうするしかない」と口にするが、ヘレナは彼を殴って気絶させ、1969年に戻った……。
米Entertainment Weeklyにて、マンゴールドは、そもそもインディが最後に死ぬストーリーにしようとは考えていなかったことを明かしている。「大切なのは死ぬことじゃない。彼は自分の生きている人生の時期と、自分の生きている時代の両方に折り合いをつけなければいけないのです」と。
もっとも紀元前にとどまることは、インディ自身にとっては幸せな結末なのではないか? むろん、この問いにもマンゴールドや脚本家のジェズ&ジョン=ヘンリー・バターワースは向き合ったという。しかし、一同は“そうではない”という結論に達したようだ。米CinemaBlendで、マンゴールドはこのようにも語っているのである。
「そもそも、彼が過去の時代で死ぬことは、妻や彼を知る人、彼を愛する人たちから離れて死ぬということ。ある意味、それは過去への執着による自滅だと言えるのではないか。彼がそこにとどまりたいと思うことには賛同しますが、それは私にとっての正解ではなかったのです。
(1969年には)インディ・ジョーンズのようなヒーローも、“プロフェッサー・ジョーンズ”のような教授も、以前と同じようには評価されなくなりました。息子を失い、結婚生活もうまくいかなかった彼は、人生の問題を修復する必要もなく、どこか新しい場所、魅力的かつ開放的な場所で再出発することに──誰もがそう感じるでしょうが──自然と惹かれたのでしょう。そこは彼が本質的に惹きつけられていた場所であり、彼が人生で味わった痛みのない場所だったから。」

ともかくヘレナの手によって、インディは1969年の時間に戻ってきた。彼は妻のマリオンや友人のサラー、ヘレナたちに迎えられ、そしてラストシーンではおなじみのハットを物干しから取り込んでいる。マンゴールドは「彼が冒険を諦めることはないでしょう。彼はまだ終わっていないと思う」と語った。「エンディングとは、登場人物がもう二度と動かないという意味ではなく、彼らの物語が終わったことを感じることなのだ」と。
「きっと翌日も、彼は何かをしたいと思うことでしょう。再び時を超え、ナチスと戦うわけではありません。しかし、マリオンと一緒にインカの発掘現場やら、モンタナ州やノースダコタ州やらへ出かけていき、山小屋を借りるところは想像できます。引退した考古学者としての人生を心から楽しんでいる姿がね。彼は教授としては引退しましたが、過去と未来、科学と人類を考える熱心な勉強家としては引退しないと思います。そういうことを考えなくなった時こそ、本当に終わりの時なのでしょうから。」
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Source: Entertainment Weekly(1, 2), Cinema Blend