【ネタバレ】『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』シャイア・ラブーフ演じた息子マットの悲しいその後、決断の理由を監督明かす

この記事には、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のネタバレが含まれています。

インディの息子マットはなぜ死んだ?
映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』では、インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)とマリオン(カレン・アレン)の一人息子、マット(シャイア・ラブーフ)がベトナム戦争で戦死したことが明かされた。前作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』がハッピーエンディングだっただけあり、マットの死は唐突に突きつけられた。

マットが登場しないことは映画公開前より判明していたが、なぜ「戦死」という決断が取られたのだろうか。前3作を手がけたスティーヴン・スピルバーグから監督の座を譲り受けたジェームズ・マンゴールドは、米Varietyでこのように説明している。
「(インディとマット)2人についての映画を作るか、(マットを)登場させない別の方法を探すかのどちらかでした。彼は前作であまりにも重要なキャラクターでしたから、存在していないかのように描くことは不可能でした。前の映画で、彼にまつわる全てが上手くいっていたとは思いません。私は、もっと興味深いことがあると思い、別の話を目指したのです。」
本作で鍵を握る“秘宝”は、歴史の流れを変えるアンティキティラのダイヤル。インディは、歴史の書き換えを企むナチス残党の科学者ユルゲン・フォラーとダイヤルの奪い合いを繰り広げた。クライマックスシーンでは、復元されたダイヤルによって生じた時空の裂け目を通り、インディたちは紀元前214年のシチリア島へ辿り着いてしまった。
インディは戦いを終えてもなお、その時代にとどまり続けると主張する。大胆にも思えるこの決断の根幹にこそ、マットの死が大きく関係しているようだ。マンゴールド監督は、「息子を失い、妻までも失うことになった失意のヒーローが、世界の歴史上で素晴らしくて騒々しいあの瞬間に留まりたいと思い、一番大好きな場所で自分が暮らすことを思い描くというのが、感情的な側面において正しいように感じました」と語っている。

劇中、インディと冒険に出たヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)は、こんな質問を投げかける。「もし過去に戻れたら、何がしたい?」。これに、インディは歴史的名戦を目撃することでもクレオパトラを一目見ることでもなく、「息子の入隊を止める」と答える。「“死ぬことになるぞ”と言うだろう。“そしてお前の母親は一生悲しみ続ける。父親が力を尽くしても、その悲しみは癒えず、結婚は破綻に終わる”ってな」。
マットの死は決して無駄になったわけではなく、エンディングまでに至るインディの内面の揺れ動きを支えるものとなった。本編ラスト、“現在”に無理やり連れ戻されたインディはマリオンと再会することになる。遠い昔に失っていた居場所を再び取り戻したのだ。
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Source:Variety