『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』初期案、「1作目を焼き直す」ような内容だったと監督 ─ 「亡霊も出てきた」

映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の初期案では、1作目『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(1981)を彷彿とさせるような幽霊の登場が検討されていたという。企画の途中でスティーブン・スピルバーグから監督の座を引き継いだジェームズ・マンゴールドが、参加当時に目にしたというアイデアを明かした。
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』は、インディ・ジョーンズ役を演じてきたハリソン・フォード主演シリーズの完結作。企画発足当初はスピルバーグが続投予定だったが、新世代に引き継ぎたいという思いから離脱が発表された。
マリオン役のカレン・アレンによれば、スピルバーグ就任時の本作はインディとマリオンを中心とした物語だったというが、マンゴールドは米Gizmodoで初期案の更なる詳細を口にしている。
「私が参加した時、彼ら(製作陣)は1作目で起こったことを焼き直すような、まったく別のことを思い描いていました。既存の脚本では何が起こるんだろうと考えていた時で、1作目をもう一度観ている気分になる、幻影や亡霊が出てくるような内容でした。」
『レイダース』には、インディたちが追っていた秘宝の聖櫃(せいひつ)から白い幽霊が飛び出し、宝に魅せられたナチス・ドイツの隊員たちを襲うシーンが登場する。ハリソン最後の出演作ということもあり、製作陣は原点回帰を意識していたのかもしれない。
すでに出来上がっていたストーリーを大きく作り変えたマンゴールドは、スピルバーグやジョージ・ルーカス、ローレンス・カスダン、デヴィッド・コープといった過去作の製作陣の名前を挙げた上で、「彼らが成し遂げたのは、同じことを繰り返すことではなく、歴史や形而上学の別の側面から物語を前に進めることだったと感じました」と語っている。「ある意味、“またデス・スターか”と思わせるようなことはしたくなかったんだと思います」と、『スター・ウォーズ』シリーズに登場する巨大宇宙要塞を引き合いに出しながら、大幅な内容見直しの意図を明かした。
『運命のダイヤル』ではインディと彼の名付け娘・ヘレナの冒険を描く物語が描かれ、インディ・ジョーンズという1人の人間が歩む人生の軌跡をエモーショナルに際立たせるものとなった。先人からはお墨付きを与えられ、作品を試写会で鑑賞したスピルバーグは、「この映画の作り方を知っているのは私だけだと思っていた」と語りながら絶賛していた。
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Source:Gizmodo