ダニー・トレホの生涯を綴るドキュメンタリー映画『INMATE ♯1: THE RISE OF DANNY TREJO』が製作決定!
IndieWireによれば、カルト的な人気を誇る俳優ダニー・トレホの人生を綴ったドキュメンタリー映画が、現在カリフォルニアで製作されているという。
タイトルは『Inmate #1: The Rise of Danny Trejo』。日本語に訳せば『受刑者#1: ダニー・トレホの台頭』とでもいった感じだろうか。監督を務めるのはアイスホッケーのナショナルリーグをテーマに扱ったドキュメンタリー作品『Ice Guardians』で知られるブレット・ハーベイだ。

ダニー・トレホといえば、ハリウッド映画における脇役陣の中でも、その極悪面ぶりでは右に出るものがいないといって過言ではない強烈なヴィジュアルの持ち主としても知られる俳優だ。劇中での彼の姿を、誰もが必ず一度は目に焼き付けているはずである。
従兄弟でもあるロバート・ロドリゲスの作品をはじめ、実に多くの映画に名脇役としてその姿を刻んでいるトレホであるが、その活躍が功を奏し、2010年の『マチェーテ』では初の主演を果たしている。ぼく自身も彼の出演作は数多く鑑賞しており、何となくだが彼の年齢を50代半ばくらいなのかなあと思っていた。しかし、なんと今年で齢73歳だということを知って衝撃を受けた。一言で言えば「若い!」というわけだが、あの強烈なインパクトが年齢をも覆い隠しているということだろう。

ダニー・トレホ、波乱の生涯
悪役を演じる俳優には“ヴィジュアルは極悪でもプライベートでは真逆”という話がよく聞かれるが……トレホの場合、それにはまったく当てはまらない。彼は幼い頃から周囲に麻薬中毒者や武装強盗団たちのいる環境で育てられ、 12歳でヘロインに手を出し、15歳で初めて刑務所に入ったという。その後もグレまくった生活を続け、23歳の時には、おとり捜査中の捜査官に3万ドル分のヘロインを売った罪でサン・クエンティン刑務所に投獄されている。ちなみに若かりし頃の夢はプロボクサーだったらしいが、残念ながらその夢は叶わなかった。けれど同刑務所時代には、刑務所内でのボクシング大会でチャンピオンになったという話もあるので、やはり相当な強者だと思う。
その後トレホは、刑務所内で起こった暴動事件をきっかけに改心し、1969年に刑務所を出所してからは、10代の薬物中毒者たちのカウンセリングを開始したほか、ボクシングのコーチとしても働いていたという。そして映画関係者との出会いから、1985年公開の映画、アンドレイ・コンチャロフスキー監督による『暴走機関車』に出演することになり、俳優としてのキャリアをスタートさせている。
つまりあの悪役としてのインパクトは、まさに“ホンマモン”の過去に裏付けされているというわけなのだなあ、そりゃあ貫禄があるはずだよ……。

『Inmate #1: The Rise of Danny Trejo』でプロデューサーを務めるアダム・スコーギーは、製作発表で「今日のダニー・トレホは温厚で慈悲深く、あなた方が知る人でも最も素晴らしいナイスガイのひとりかもしれないけど、今までの彼はずっとそうだったわけではないんですよ」と語ったそうだ。
本作品は2018年の公開を予定して、鋭意製作中とのこと。ぜひ注目しておきたい作品だね。
参考記事: http://www.indiewire.com/2017/01/danny-trejo-documentary-chronicle-life-after-prison-rise-to-fame-inmate-1-1201768410/
Eyecatch Image: http://www.imdb.com/title/tt6399296/mediaviewer/rm2757900544