エストニア発、ヘヴィメタル・カンフー・コメディ映画『インビジブル・ファイト』が米国上陸

エストニア発、異色のヘヴィメタル・カンフー・コメディ映画『The Invisible Fight(英題)』が米国で公開されることがわかった。
米Deadlineによると、米国配給権を獲得したのは、主にアートハウス映画の配給を手がける米Kino Lorber。2024年に劇場公開・デジタル配信・ソフト発売が予定されているという。すでに公開されている予告編(英語字幕版)では、本作のヘヴィメタルでカンフーな一面を確かめることができる。
1973年、ソビエト連邦。国境警備隊のラファエルは、ロシアと中国の国境でカンフーの達人3人に襲撃され、自分のラジカセを失ってしまう。その後、一般人となったラファエルは自尊心を取り戻し、自動車整備士として熱心に働きながら、カンフーに熱中し、あらゆるディスコで踊り狂っていた。そんなある日、ラファエルは、正教会の修道士たちが自分の愛するカンフーを実践していることを知る。俗世の誘惑や女性関係を捨て、ラファエルは彼らの仲間に加わる。しかし、自分との闘いはまだ始まったばかりだった……。
本作はロカルノ国際映画祭でワールド・プレミアを迎えたのち、ファンタスティック・フェスやシッチェス・カタロニア国際映画祭でも上映されている話題の一本。中国の武侠映画に敬意を払いつつ、人生の不条理や運命、またソビエト連邦に仕えた人々の矛盾と葛藤を扱いつつ、植民地時代のモラルをパロディにし、ポップカルチャーが人間を救うことを描いているという。
監督・脚本は、モノクロのダーク・ラブストーリー映画『ノベンバー』(2017)を手がけたライナー・サルネット。同作は2022年に日本公開され、映画ファンの間でも話題を呼んだが、今回は作風をガラリと変化させ、再び観客を驚かせる。
映画『The Invisible Fight(英題)』は2024年に米国公開予定。