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スコセッシ最新作『アイリッシュマン』米国版新予告編 ─ 上映時間209分の超大作、年老いたアウトローが「自分を見つめる物語」じっくりと描く

https://www.youtube.com/watch?v=fjrzu37-ljI

巨匠マーティン・スコセッシ監督の最新作、Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』が2019年11月27日(水)に全世界同時配信となる。このたび、米国にて新たな予告編が公開された。本作の見どころのひとつ、最新技術で大幅に若返るロバート・デ・ニーロの姿もたっぷりと見ることができる。

作家チャールズ・ブラントのノンフィクション作品『I Heard You Paint Houses(原題)』を映画化した本作は、アメリカの歴史を変えたとされる殺し屋、“ジ・アイリッシュマン”ことフランク・シーランの半生を描く。裏社会のボスであるラッセル・ブファリーノに仕えていたフランクは、全米トラック運転手組合「チームスター」のリーダー、ジミー・ホッファの失踪・殺人事件の犯人として容疑をかけられた。第2次世界大戦後のアメリカの裏社会で、ある殺し屋の視点からアウトローたちの生きざまが紡ぎ出される。

今回の映像は、ブファリーノ・ファミリーの弁護士からフランク(ロバート・デ・ニーロ)が質問を受ける場面から始まる。「いつも遅刻します?」「交通違反をしたことは?」「酒を飲んで仕事をすることは?」「誰かをはねたことは?」。すべての質問に「いいえ」と答えたシーランに、弁護士は「じゃあ心配ないですね」と一言。むろん、そんなはずはないのだが。

時間は変わり、フランクがラッセル(ジョー・ペシ)と出会う場面に移る。フランクは「まるで軍隊のようだ」と言う。指令を受け、仕事をして、報酬を受け取る、その繰り返しなのだ。そんな中、ラッセルが「ちょっと困ってる友人がいるんだよ」と語りかける。その男こそ、「当時この国で知らない人はいなかった」ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)だった。ある時、銃を持った男に迫られたジミーは、事なきを得たあと、周囲に話す。「銃を持ってる男には突進しろ。ナイフだったら逃げろ。銃なら突進、ナイフなら逃げろだ」。ジミーはフランクに、「歴史の一部になりたくないか」と問い、ある依頼を託す。「大企業と政府が協力して、俺たちを引き裂こうとしてる」。

そして事態は混迷を極め、誰にも手に負えない事態へと転がり落ちていく。そんな中、「いずれにしても彼はやるよ」と仕事を託されるのが、“アイリッシュマン”ことフランク・シーランなのだ。予告編の最後には、弁護士が再びフランクに問いかける様子が映し出される。「君はやったの、やってないの?どっちでもいいんだが、僕は君を守るためにいるわけだ。わかるだろ?」。フランクが答えずにいると、弁護士はそわそわする。「知りたいってことですよね?」とフランクは笑う。

アイリッシュマン
Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』2019年11月27日(水)独占配信開始

米ニューヨーク映画祭の公式サイトにて告知されたところによれば、『アイリッシュマン』は上映時間209分(3時間29分)にもおよぶ大作となる。『アベンジャーズ/エンドゲーム』が180分、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が161分と、長尺作品が話題を集めた2019年の最終盤に巨匠が放つ超重量級の一本だ。

なおプロデューサーのジェーン・ローゼンタール氏は、米Deadlineにて「スコセッシ作品として、みなさんを驚かせるのは、この映画がスローな作品だということです」と述べた。『カジノ』(1995)や『グッドフェローズ』(1990)のような激しさで描かれる物語ではなく、「男たちが年老いた視点から自分たちを見つめる」物語だというのだ。

「『アイリッシュマン』では有害な男らしさを見ることになります。自分自身の核家族ではなく、別の家族を選ぶとどうなるのか。そして彼らは、人生の終わりにその傷を治そうとする。こういう選択は、特に男性がするものですよね。」

Netflixオリジナル映画『アイリッシュマン』は2019年11月27日(水)独占配信開始

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Sources: Deadline, NYFF

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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