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『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』大ヒットの理由を原作者が分析!2017年の「お化け映画」を支えた3つの要素

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

2017年の秋を飾った「お化け映画」といえば、スティーヴン・キングの名作ホラー小説を映画化したIT/イット “それ”が見えたら、終わり。である。作品への高評価もさることながら、米国ではホラー映画史上最高の興行収入を達成、日本でも興収20億円を突破、ランキングでは7週連続トップ10入りという衝撃の記録を打ち立てた。

なぜ『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』はここまでのヒットに結びついたのか? 世界中で専門家が推測する中、原作者のスティーヴン・キングがその理由を分析している。いわく、本作の成功のカギは1990年にあったというのだ……。

1990年版『IT』とピエロ騒動

Entertainment Weekly誌に登場したキングは、かつて著した自身の代表作が大きなムーブメントとなって回帰するという現象に立ち会って、その要因を過去のテレビシリーズに求めている。1990年に製作され、ペニーワイズをティム・カリーが演じた『IT』のことだ。

「大ヒットした理由のひとつは1990年のミニシリーズだと思います。当時、8~14歳だった子供たちはティム・カリーに完全にビビらされましたよね。新作が公開されたことは、(彼らにとって)子供の頃のあの経験をもう一度味わう機会になったわけですよ。」

当時8~14歳ということは、2017年時点で35~41歳である米国の観客が、キングのいう「ティム・カリーにビビらされた」層にあたる。日本でテレビ版は1994年・2002年に放送されているため、その恐怖はより広い年齢層へ届いていたに違いない。ちなみに日本では、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』を観るため、10代の観客が劇場へ多く足を運んだともいわれており……もしかして、ほぼ全年代にアプローチしていたということなのか?

なおキングは、2016年から米国を騒がせたピエロ(キラークラウン)騒動にも言及。騒動そのものは決して良い話ではないが、複数の事件が米国のみならず世界各地で報じられたことが、結果的に本作への関心を高めた可能性は否定できないだろう。

ストレンジャー・シングス』という新しい風

米EW誌のインタビュアーはキングに対して、Netflixドラマ『ストレンジャー・シングス』(2016-)が本作に与えた影響はないかと尋ねている。キングによる小説をはじめ、1980年代のSF・ホラー・ファンタジー作品らしい要素をたたえた『ストレンジャー・シングス』は米国にて絶大なる人気を獲得。当時を知る者には懐かしく、知らない者には新しい感覚で視聴者の心をつかんだのだ。

『ストレンジャー・シングス』を絶賛していたキングは、「(作品のポジションが)近すぎますよ。『ストレンジャー・シングス』を見ると、僕が書いた作品をたくさん思い出すんです」と述べつつも、同作が『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』に与えたポジティブな影響を認めている。

「『ストレンジャー・シングス』は(プラスに)作用していたかもしれませんね。[中略]役目を果たしてくれたんだと思います。確かに、子供たちの一団が超自然的な恐怖と戦うというアイデアは人々を惹きつけますしね。それに、善良な人々を応援する機会はどんなホラー映画にもあるわけではないですから。」

ちなみにキングは、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の大ヒットについて「しかるべき時の、しかるべき映画だったんですよ」と一言。「ヒットするとは思ったが、これほどになるとは思わなかった」と述べて、きちんと小説の売り上げも伸びたことを報告している。

映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』は2017年11月3日より全国の劇場で公開中。

Source: http://ew.com/books/2017/12/22/stephen-king-pennywise-it-entertainers-of-the-year/
http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=it.htm
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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