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2018年、X-MEN『ニュー・ミュータンツ』はリアル志向の青春ホラー!「現実的で落ち着いた映画に」監督が意思表明

X-MEN
Photo by JD Hancock https://www.flickr.com/photos/jdhancock/3500203823

2018年、映画『X-MEN』シリーズは新たなる境地へ進もうとしている。
メインシリーズの最新作『X-MEN: ダーク・フェニックス(原題:X-Men: Dark Phoenix)』がヒーロー映画の「革命」なのだとしたら、スピンオフの新作映画『ニュー・ミュータンツ(原題:New Mutants)』はヒーロー映画のジャンルの裾野をさらに広げるのだ。『デッドプール』(2016)がコメディ、『LOGAN/ローガン』(2017)が硬派な西部劇なら、この映画は本格派青春ホラーなのである!

5人のティーンエイジャーが紡ぐ「怪異」

2017年10月に公開された米国版予告編が注目を集めたように、本作『ニュー・ミュータンツ』の見どころは、「ホラー映画風」といった次元を超越した“本気の”ホラー映画スタイルを採用しているところだ。『X-MEN』シリーズゆえに主人公は5人のミュータントではあるが、そこに映し出されているのは、ティーンエイジャーたちが精神病棟と思しき施設で次々に怪異と遭遇する様子である。

本作の原案とみられるコミックは、1984年に刊行されたストーリーライン「デーモン・ベア・サーガ」だ。恐怖を与える特殊能力を持つ熊、デーモン・ベアがヴィランとして登場する物語なのだが、こうした要素やミュータントの能力がいかにしてホラー映画と結びつくのかはまだわからない。

脚本・監督を務めたのは、『きっと、星のせいじゃない。』(2014)のジョシュ・ブーン。製作にあたっては、X-MENシリーズではなく、ホラー作家スティーヴン・キングによる小説や『カッコーの巣の上で』(1975)を参考にしたという。

「登場する子どもたちは、自分たちがX-MENであることに気を払えないんです。恐ろしい出来事が起こり、ひどく混乱していて、とにかくこの状況から脱出する方法を見つけ出そうとする。演技やキャラクターが映画を引っ張っていく、映画版『X-MEN』のなかでも現実的な、落ち着いた作品にしようと思います。」

また『ニュー・ミュータンツ』の魅力は、「青春ホラー」というジャンルを強力に支えるフレッシュなキャスティングにもある。
映画『スプリット』(2017)のアニャ・テイラー=ジョイをはじめ、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-)のメイジー・ウィリアムズ、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(2016-)のチャーリー・ヒートン、『13の理由』(2017-)のヘンリー・ザーガらは、本作のみならず現在の海外映画・ドラマ全般で注目したい顔ぶれだ。ちなみに米USA Today誌のウェブサイトでは新たな場面写真が公開されているので、こちらもぜひご覧いただきたい。

しかしスティーヴン・キングや青春ホラー、ティーンエイジャーというキーワードから現在必然的に思い起こされるのは、2017年に世界を席巻した『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』だろう。いまや本格的なホラー映画ブームが起こりつつある状況下で、X-MENのスピンオフ作品である『ニュー・ミュータンツ』はどんな新しい風を送ることができるのか? その全貌判明まで、もう少し待つことにしよう。

映画『ニュー・ミュータンツ(原題:New Mutants)』は2018年4月13日米国公開予定(日本公開未定※2017年12月時点)。

Source: https://www.usatoday.com/story/life/movies/2017/12/28/10-most-must-see-films-2018-new-fantastic-beasts-mary-poppins/983389001/
Eyecatch Image: Photo by JD Hancock ( https://www.flickr.com/photos/jdhancock/3500203823 )

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。