【ネタバレ】『IT/イット THE END 』ラストシーン解説、監督に訊いてみた ─ 1990年版と、原作との違い

この記事には、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のネタバレが含まれています。
ペニーワイズ最終形態
1990年のTV映画版のラストでは、ペニーワイズが巨大な蜘蛛のクリーチャーに変身。意外とあっけなく倒されてしまう展開には、落胆の声も挙がっていた。こうした前例もあり、新たにリメイクする本作『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』では、ペニーワイズの最終形態のデザインや、決戦の描き方にそうとう悩んだのでは?THE RIVERが訊ねると、アンディ監督は「もちろんです。何もかも悩みましたよ」と答えた。
「今回の蜘蛛のデザインはちょっと変わっていて、僕のスケッチによるものです。ただの巨大な蜘蛛にするのは避けたかった。宇宙蜘蛛みたいな……(笑)。それよりも、もっとグロテスクで、奇妙でトチ狂った感じを出したかったんです。なんてったって、道化の化身ですからね。生きとし生ける物が、彼の陰で掟に従わなければいけないような。
だから、“手強い”みたいなモンスターではダメなんです。筋肉があって、ボコボコと膨らみがあるようなものではダメ。(※1990年代のクリーチャーを指している思われる。) それよりも、巨大なパペットのような、あの化け物が持つユーモアを表現したかったんです。」
“それ”との戦いの、その後

ペニーワイズとの戦いに、ルーザーズクラブは「勇気」を武器にして勝利する。しかし、そこにはスタンリーの犠牲もあった。彼らのもとに、スタンリーからの手紙が届けられる。恐怖の連続だった『IT/イット』2作の最後は、原作にはない感動的な結末を迎えるが……。
「原作のラストはもっと切なくて、お互いのことを忘れ始めるんですよね。僕はその展開にガッカリしちゃって……(笑)。あの手紙については、スタンリーの死に意義を与えてくれるものでした。死は突然のことでショッキングでしたが、奇妙なことに、そこに意義があるんです。」(アンディ監督)
「原作の結末も受け入れていますよ。それがスティーヴン・キングが書いたものなんだし、物語のロジックに基づいているんですから」とアンディ監督が続けると、監督の姉で本作プロデューサーのバルバラが「でも私達は、そのロジックの逆を行った」と加える。すると監督は「いや、モンスターを倒して呪いが解けたから、別のロジックも働くんですよ」と返す。
「ビルが“なんで今度は忘れていないんだろう”って聞くでしょう。それは、“それ”を倒したから。だから原作よりもハッピーな結末になりましたね。希望もあるでしょう。たとえ離れ離れになったとしても、彼らは今後も生涯の仲間なんだって。」
映画『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は、大ヒット公開中。