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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』前日譚コミックを完全解説!映画を観る前の予習に、観た後の復習にも

映画アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーが、いよいよ本日2018年4月27日より公開される。本作はマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)10年間の集大成で、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)をはじめとする複数の作品から物語が繋がっているのだが、実は、その隙間を埋める前日譚コミック“Marvel’s Avengers: Infinity War Prelude”が存在することをご存知だろうか。

米国において、マーベルはMCU作品の公開にあたり前日譚コミックを毎回刊行している。作品によっては邦訳版が出版されることもあるのだが、残念ながら本作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での発売予定はないようだ(2018年4月26日時点)。しかしこの前日譚コミックには、本作を観る上で知っておきたい重要な情報が複数描かれている
そこで本記事では、映画を観る前の予習として、そして観た後の復習あるいはお楽しみとして知っておきたい内容を完全解説していく。いずれ邦訳版を読める日が来ることを祈りつつ、映画鑑賞の一助としてお役立ていただければ幸いである。

注意この記事にはマーベル・シネマティック・ユニバース作品のネタバレが含まれています。

『シビル・ウォー』以降のヒーローたち

“Marvel’s Avengers: Infinity War Prelude”は、米国で2ヶ月にわたって全2号が刊行された。
その第1号で描かれたのは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』以降のトニー・スターク/アイアンマンやスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカをはじめとしたヒーローたちの動向である。コミックは映画のクライマックス、バッキーによって両親が殺害されていたことを知ったトニーが、スティーブやバッキーと激しい戦いを繰り広げるところから始まる。戦いの末、スティーブはトニーのスーツを無効化し、盾を置いてその場を去る。建物を出たところで待っていたのはティ・チャラ/ブラックパンサーだった。一連の事件を企てた真犯人ヘルムート・ジモを捕縛していた彼は、自身の誤解を謝罪し、バッキーの助けになれないかと申し出る。

ヒーローたちの対立の結果、キャプテン・アメリカ側に付いたサム・ウィルソン/ファルコンやクリント・バートン/ホークアイ、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ、そしてスコット・ラング/アントマンはラフト刑務所に囚われていた。スティーブは自分を助けてくれた仲間を救うため、ラフト刑務所へと向かう。起こってしまった事態の深刻さに「すべて俺のせいだ」と謝罪しようとするバッキーだったが、スティーブは「言うな、最後までとことん付き合うって何度も言っただろう」と告げるのだった。
スティーブは看守を襲い、牢獄から仲間たちを救い出した。クリントは「楽しかったよ。でも正式に引退してるってことは信じてほしい」と話し、スティーブも妻子のもとへ戻るよう伝える。スコットも娘のもとに戻ったことが描かれているほか、ワンダはすでに人間の姿をしたヴィジョンと再会しているのだった。

数週間後、スティーブとバッキーはワカンダを訪れる。ティ・チャラがバッキーの洗脳を解く「唯一の手段」として提案したのは、再び冷凍睡眠に入って治療を行うことだった。
さらに数ヶ月後、ティ・チャラの妹にして天才科学者のシュリは、バッキーに高度な生体スキャンを行い、脳の分析を実施していた。シュリはバッキーの記憶や人格などをすべて消去してしまうのではなく、暗殺者としての側面を呼び覚ます言葉の影響のみを排除しようとしていたのだ(これをシュリは「再起動(reboot)」と呼んでいる)。そのために彼女が開発したアルゴリズムは、ワカンダの人工知能技術を大幅に向上させるものになるという。

同じ頃、スティーブやサム、ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウはシリアにいた。反テロ活動のため、テロ組織の内部に潜入している彼らは、内側から陰謀を事前に阻止していたのだ。テロリストたちはチタウリ(編注:2012年『アベンジャーズ』に登場したエイリアン)のエネルギーを使用した武器を用意していたが、スティーブとサムは一瞬で一味を撃退。スティーブは、別のテロリストたちに再び使用されないよう、武器を無効化したいと口にする。ナターシャが「トニーに電話したくはないんでしょう」と言えば、スティーブは「彼には自分のやるべきことがある」と一言。次なる行き先として、彼らはレバノンに向かおうとしていた。

アメリカにあるアベンジャーズ本部では、アイアン・スパイダーのスーツ(編注:2017年『スパイダーマン:ホームカミング』に登場)を背後に、トニーが新たなスーツの研究に邁進していた。「起こってしまったことに罪悪感を感じずにはいられない。私は動揺して、本物の脅威から目を背けてしまった」というトニーは、スティーブから届いた携帯電話(編注:『シビル・ウォー』に登場)を見つめながらも、スティーブが応じてくれるだけでは不十分だと考える。「すべての終わりに備えるのなら、自分一人でもやれる方法を考えなくては」

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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