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【ネタバレ】『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』冒頭シーン、マーベル社長が熱い思いを明かす

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、本編が始まった瞬間から観客を一気に作品の世界へと引きずり込む。過去10年間の集大成である本作が従来とは一味もふた味も違うことを、観客はすぐに知らされるのだ。
このたびマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が、米The Wrapにて、この冒頭シーンについて初めて語った。長い時間をかけて積み重ねられてきたユニバースやキャラクターへの思いが、ここでは率直に語られている。

注意

この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー
© 2018 MARVEL

https://www.youtube.com/watch?v=ET87HGsLEOk

ロキ&ヘイムダル、突然の退場

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)の直後から始まる。同作の結末において、ソーが実姉であるヘラを倒し、滅びゆくアスガルドから民衆を乗せた脱出船で地球へ向かっていたところ、その眼前にはサノスの軍艦「サンクチュアリII」が現れたのだ。サノスの襲撃によって脱出船ステイツマンは大きな被害を受ける。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラストに満ち溢れた希望が、まさかこんなにも早く打ち砕かれるなんて……。

本編が始まって早々、頼みの綱であるソーがサノスの手によって大きなダメージを受けていることがわかる。長年アスガルドの門番を務めてきたヘイムダルも瀕死の重傷だ。ハルクはサノスと格闘するも敗北を喫し、ヘイムダルによって地球へ送られるが、その行為と引き換えにヘイムダルは命を絶たれる。ロキはテッセラクト/スペース・ストーンを差し出して忠誠を誓い、隙をついてサノスの命を狙うが、あっけなく見破られた末に殺されてしまうのだった。

あまりにも残酷、あまりにも容赦がないオープニングに観客は驚き、震え上がっただろう。では、このシーンの撮影はどんな雰囲気で行われたのだろうか。ファイギ社長は撮影を振り返って、「(撮影では)こみ上げてくる感情があった」と語っている。

「撮影中はよく感傷的になっていました。特に劇的なことが起こらないシーンでも、キャラクターは長い間(私たちの)そばにいてくれたわけですし、俳優にとって登場人物は自分そのもの、あるいは凄まじいキャリアの始まりだったわけですから。劇的な場面や何かの幕切れではなく、エモーショナルなせりふがあるだけで感傷的になってしまいましたね。[中略]これだけ長い間、密接にキャラクターを演じていると(俳優にも)思い入れはあるものです。彼らはキャラクターと感情的につながっているんですよ。観客のみなさんほどではなくてもね。」

ロキを演じてきたトム・ヒドルストンは、2011年『マイティ・ソー』を皮切りに、『アベンジャーズ』(2012)『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)に登場。複雑な感情を内に秘めたキャラクターをヒドルストンは見事に体現し、観客から大きな支持を集めた。ファイギ社長は本作の冒頭シーンについてこう述べている。

「終わりを迎えるようなシーン、あるいは(役柄を演じてきた)時間の長さが反映されるシーンを演じる時には感傷的になるものだと思います。(撮影では)そういう日々が多かったんです、トム(・ヒドルストン)のシーンももちろんそうでした。あの撮影は特に感傷的になりましたね。」

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の撮影では秘密主義が徹底され、俳優陣にはその日撮影するシーンが当日の朝に知らされるような状況だったという。しかし登場人物が命を落とすシーンの撮影については、前もって俳優たちにも告知されていたそうだ。観客は衝撃とともにスクリーンを見つめるしかなかったが、少なくともヒドルストンには、ロキの死に向けて準備をする時間が用意されたということだろう。

ロキの死について、劇中でサノスは「もう生き返るまい」と口にし、ソーも「本当に死んだらしい」と語る。ロキのことである、そこまで言われるとまだ生きていることに期待したくなるものだが……脚本を執筆したクリストファー・マルクスは、こんな血も涙もないコメントを発している

「(登場人物の死は)本物です。起こったことは現実なんだとお伝えしたいですね。早く受け入れていただけるほど、喪の作業は早く進むと思います。」

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国の映画館にて公開中。続編となる『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』は2019年4月26日(金)米国公開予定だ。まだだ…まだ来年までは信じないぞ……!

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Source: The Wrap

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。