『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ドクター・ストレンジ、サノスを異次元トリップさせる案あった ─ 審判者リビング・トリビューナルも登場

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)のクライマックスに、ベネディクト・カンバーバッチ演じるドクター・ストレンジが魔術を駆使し、『ドクター・ストレンジ』(2016)のごとき異次元トリップへとサノスを追い込む展開が検討されていたという。脚本家のクリストファー・マルクス&スティーブン・マクフィーリーが、ポップカルチャーの祭典「サンディエゴ・コミコン(Comic-Con International: San Diego 2019)」にて語った。
この記事では、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の展開に言及しています。
ドクター・ストレンジ、サノスを精神世界へ
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のクライマックスでは、インフィニティ・ストーンを手に入れようとするサノスを、アイアンマンやドクター・ストレンジ、スパイダーマン、スター・ロードらが惑星タイタンで迎え撃つ。ヒーローたちはおのおのの能力でサノスと戦い、ストレンジは魔術で自分の姿を増殖させ、光の鞭でサノスの動きを封じ込めようとしていた。
しかし脚本段階で、ストレンジはサノスを精神世界に送り込み、『ドクター・ストレンジ』でエンシェント・ワンがストレンジに見せたような悪夢的な光景(通称「マジカル・ミステリー・ツアー」)を見せつけていたのだという。マクフィーリーは、やむなく見送られたアイデアをこう振り返る。
「その世界では、サノスが自分の犯した多くの罪をすさまじい勢いで突きつけられるんです。いくつもの死体が彼に向かって飛んできたり、あらゆるものが動き出して、いくつもの手がサノスを掴んだりする。ゾッとするシーンでしたね。」
ストレンジによるサノスの“地獄めぐり”の果てに登場するのは、宇宙の審判者である金色の巨人、リビング・トリビューナル。マルチバースを監視する存在で、宇宙の法に背く者がいないかを常に見張っているキャラクターだ。サノスはリビング・トリビューナルの前に放り出されると、そこで「有罪」と判定される(ひょうきん族の懺悔室みたいな様子を想像してはいけない)。マクフィーリーいわく、これは「とにかくサノスをぶっ叩く」場面だったという。
ちなみに、サノスが精神世界へとトリップしてしまうというアイデアは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が脚本会議に大量のコミックを持ち込んできたことをきっかけに生まれたもの。サノスの生みの親であり、原案コミック『インフィニティ・ガントレット』(小学館集英社プロダクション刊)を手がけたアーティスト、ジム・スターリンの作風を失いたくないとの思いから検討されたアイデアだったのである。
リビング・トリビューナルを登場させるというアイデアについて、マクフィーリーは「最高ですよね、完全に新しい時代が開かれると思いました。うちの祖母が理解できるかどうかは分かりませんが」とコメント。一方のマルクスは、トリップシーンごと断念したのは「非常にペースの速い戦闘シーンのさなかだったから」だと語っている。「LSDトリップのために(戦闘を)止めても良かったんですが、勢いを殺してしまうので」。
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』MovieNEXは発売中。『アベンジャーズ/エンドゲーム』MovieNEXは2019年9月4日(水)発売。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html
Source: ComicBook.com