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【解説】映画『ジャスティス・リーグ』マザーボックスとヴィランのステッペンウルフ、ダークサイドとは何か

暗黒惑星アポコリプスの将ステッペンウルフ

映画『ジャスティス・リーグ』(2017)でヴィランとした登場したステッペンウルフは、パラデモーンと共にダークサイドという大魔王が統べる暗黒惑星アポコリプスという別の次元にある星から来ています。ステッペンウルフはアポコリプスの首魁ダークサイドの叔父であり、彼の忠実な下僕でもあります。コミックでは別世界のワンダーウーマンとの間に娘を設けてもいるため、映画『ジャスティス・リーグ』でヒッポリタ達に強い執着を見せたのも頷けますね。

暗黒惑星アポコリプスを支配し、別世界への侵攻を仕掛けるダークサイドの目的は反生命方程式を手に入れて全宇宙を思いのままにすることです。反生命方程式とは全並行世界の果てにあるソースウォールというものから生み出される生命方程式の対となるものであり、これを手に入れれば言葉だけで遍く生命の心を操ることすら可能となります。映画『ジャスティス・リーグ』にて3つのマザーボックスの波長を合わせて三位一体(トリニティ)を成し遂げようとしたのも、反生命方程式が絡んでいるのかもしれません。

DCコミックスには多くのヴィランがおり、シネストロ・コァといった宇宙規模の敵組織も存在しますが、質と量においてアポコリプスは圧倒的なものがあり、反生命方程式を狙うダークサイドの邪悪な企みもあることから驚異的な存在と言えるでしょう。

新たな神とは

ステッペンウルフが言った“新たな神(New Gods)”とは、ダークサイドが支配する暗黒惑星アポコリプスとハイファーザーが支配するニュージェネシスに生きる神々のことを指します。

ニューゴッズと映画『ワンダーウーマン』(2017)に登場したギリシャ神話の神々の違いは、ギリシャ神話の神々は地球などの惑星や宇宙に生きる土着の神々ですが、ニューゴッズは時間も空間も分かたれた上位次元とも言うべき世界に生きている点があります。

邪神魔王ダークサイドを初めとしたアポコリプスのような邪悪な世界や神々と善神ハイファーザーとその領域ニュージェネシスに生きる善神達のことを、アメコミ界のキングであるジャック・カービーのフォースワールドと称されており、現在のDCユニバースでも圧倒的な影響力を持っています。

多種多様な機能を持つマザーボックス

映画『ジャスティス・リーグ』にて重要な役割を担ったマザーボックスですが、その機能は多岐にわたるにせよ、メインの効力はブームチューブというゲートを開くことにあります。ステッペンウルフが登場したり退場する際に現れるゲートがそうです。ダークサイドとも関係の深いMr.ミラクルはこのマザーボックスの持つブームチューブの機能を使いこなしており、”世界最高の脱出王(the World’s Greatest Escape Artist)”と呼ばれた先代Mr.ミラクルの技能とブームチューブを使ってあらゆる不可能から脱出しており、マザーボックスを用いて精神的牢獄世界からの脱出すら可能にしています。

他にもフォーエヴァーピーポーという5人のヒーローからなるチームは大きなマザーボックスに手をかざして”TAARU!”と同時に叫ぶことでスーパーマンにも匹敵する強力なヒーローのインフィニティマンを召喚できて、それ以外にも物質停止や高速治療といった効果も得ることができます。

Mr.ミラクルのマザーボックスは小さくて機能もブームチューブの発生がメインですが、フォーエヴァーピーポーのマザーボックスの機能は非常に豊富なことから、基本的には大きなマザーボックスほど強力になるようです。それ以外にもダークサイドの息子のオライオンの獣性と悪性に満ちた素顔と力を隠すのにもマザーボックスが使われたりもしています。

マザーボックスはステッペンウルフが語りかけていたことからもわかるように人格を持っており、”マザー”という名前からも理解できる通り女性の人格を持っています。その匣のパーソナリティが悪か善かは所有者に左右されるようで、ヒーローであるMr.ミラクルやフォーエヴァーピーポーは自身のマザーボックスを深く信頼しています。

映画『ジャスティス・リーグ』は2017年11月18日より公開中。

Writer

小村健人村上 幸

DCコミックスと非ヒーローコミックスをメインに読んでいます。ユーロコミックスを原語で読むのが現状の目標です。好きなヒーローチーム:ジャスティス・リーグ・インターナショナル好きなヒーロー:たくさんのDCヒーロー(特にキース・ギッフェンがライターを担当した時のヒーローかヴィラン) salarmko@outlook.jpお仕事の依頼はこちらへ。

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